2015年3月の鉄道ダイヤ改正の概要が発表されました。今回は、北陸新幹線と上野東京ラインという大動脈が同時開業という目玉があります。さらに、北海道新幹線建設にともなう「北斗星」廃止などもあり、運転系統の大幅変更を伴う大改正になりそうです。
あまりにトピックスが多いダイヤ改正なので、注目ポイントをランキング形式でまとめてみました。ランキングの順位は筆者の主観です。異論は認めます。あちこちのニュースで取り上げられているものは、扱っていません。
1位 特急「あやめ」廃止
華やかな話題が多い2015年3月ダイヤ改正のなかで、暗雲が漂ったのが房総エリア。各線で特急が縮小されています。その象徴ともいえるのが特急「あやめ」の廃止。プレスリリースは「定期列車の運転を取り止め」と柔らかい表現でしたが、要するに廃止とみられます。房総エリアは高速バスの攻勢の前に、JR特急は大苦戦。他にも内房線で「さざなみ」の君津~館山間廃止などがあり、ショッキングでした。
2位 急行「はまなす」存続
「北斗星」「トワイライトエクスプレス」と青函トンネル絡みの夜行列車の廃止が発表されていた中、唯一、動向がよくわからなかったのが「はまなす」です。正直、廃止かなと思っていたのですが、生き残りました。座席車と寝台車を併結した伝統的なスタイルの夜行列車が存続したことは、鉄道ファンには朗報です。「はまなす」をブルートレインと言っていいのかはわかりませんが、青い車体の夜行列車の勇姿をしばらく見ることができそうです。
3位 熱海発黒磯行き普通列車
上野東京ラインの開業で、東海道線と東北・上越線を結ぶ長距離列車が誕生しました。最長距離とみられるのが熱海発黒磯行き普通。走行距離268.1km。新快速の播州赤穂~敦賀(米原経由)が275.5kmですから、匹敵する距離です。熱海発18時51分発の列車で、黒磯着は23時39分着。所要時間は4時間48分に及びます。グリーン車の場合はお得そうですね。
4位 超快速「スノーラビット」の表定速度99km/h
北越急行ほくほく線が運転する超快速「スノーラビット」。越後湯沢~直江津間を最短57分で結びます。途中停車駅は十日町駅のみで、ほくほく線内の表定速度はなんと99km/hとか。越後湯沢~直江津間の表定速度も88.6km/hにも達し、関西エリアや中京エリアの新快速を上回り、在来線の快速・普通列車では日本一の高速とみられます。「スノーラビット」の最高速度は110km/hにすぎないのですが、それでこの表定速度にはたまげました。
5位 485系「あいづライナー」廃止
JR東日本仙台支社のリリースによると『磐越西線では、車両の老朽化に伴って、485系で運転する「あいづライナー」の運転を取りやめます』とのこと。485系での運転を取りやめるだけなのか、あいづライナーの運転そのものを取りやめるのかが、よくわからない文章です。JRがこういう表現するときは、だいたい廃止ということが多いので、「あいづライナー」そのものの廃止の可能性が高そうです。置き換えならそう書きそうですし。いずれにしろ、485系の磐越西線からの引退は間違いなさそうです。
6位 南武線快速列車の運転拡大
南武線では、快速列車を稲城長沼~立川間でも運転することになりました。これで、川崎~立川の全区間で快速運転が行われます。快速運転区間では、普通列車の本数は純増とのこと。これは太っ腹で驚きました。
7位 東京~博多「のぞみ」で18年ぶり最短時間更新
深夜の「のぞみ64号」が、博多~東京間を4時間47分で結びます。これは、500系登場時の1997年に達成された「のぞみ号」の東京~博多最速4時間49分を18年ぶりに更新する記録です。東海道新幹線の最高速度が285km/hへ15km/h引き上げられたことによるものです。ダイヤに余裕のある深夜時間帯ですが、停車駅が増えているなかでの記録更新には敬意を表したいところです。
8位 381系パノラマ「くろしお」引退
JR西日本和歌山支社のプレスリリースの最後に、『長らくご愛顧頂きました、特急「くろしお」(パノラマ車両:381 系)の取替えを、平成 27 年 3 月ダイヤ改正以降予定しています。具体的な計画が決まり次第別途お知らせします。』とあります。北陸系統で余剰になった「サンダーバード」車両の681系を紀勢本線に転属させ、381系と置き換えるとみられます。そのため、2015年夏頃までに、381系パノラマ車両は姿を消すでしょう。また、「くろしお」全列車で車内販売が終了します。これは驚きはありませんが、寂しいですね。
9位 学研都市線四條畷~長尾間の区間快速化
学研都市線では、昼間時の快速が四條畷~長尾間の各駅に停車する区間快速になります。これに伴い、四条畷~長尾間の普通がまるまる減便になるようです。要するに運用数削減です。四條畷~長尾といえば大阪の郊外エリアですが、そんな場所でも利用者が減っているのか、とちょっとショックです。
10位 「とき」のほぼ各駅停車化
北陸新幹線開業により、「支線化」するとみられるのが上越新幹線。実際、「とき・Max とき」が1往復減便、「たにがわ・Max たにがわ」が7.5往復の減便となりました。そのため、これまで「とき」のほとんどが通過していた上毛高原駅に、1時間に1~2本停車することに。高崎~新潟間で多くの「とき」が各駅停車か、1~2駅通過の「ほぼ各駅停車」となります。そのかわり、熊谷と本庄早稲田を通過することで、全体の所要時間の増加を抑えています。
見どころ豊富なダイヤ改正
こうしてまとめてみても、今回のダイヤ改正は盛りだくさん。目玉となる「北陸新幹線」や「北斗星」「トワイライトエクスプレス」を取り上げなくてもこれだけ話題がたくさんありました。
いろいろありますが、2015年ダイヤ改正は見どころ豊富ですね。