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宇都宮LRT延伸、宇都宮駅西口停留所は高架駅に。東武駅との間に屋根設置も

雨に濡れない

宇都宮LRTの西側延伸計画の検討状況が明らかになりました。宇都宮駅西口停留所は、改札階と同一平面の「高架駅」になる模様です。東武駅前の停留場から東武宇都宮駅までは、雨に濡れずに歩けるシェルター(屋根付き通路)の設置も検討しています。

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西口停留所は高架駅に

宇都宮LRTの西側延伸計画は、宇都宮駅東口停留所から、西口を経て、教育会館前まで約4.9kmの軌道新線を建設するものです。2025年8月1日に、宇都宮市が現在の検討状況を公表しました。

延伸部分は、宇都宮駅東口から60パーミルの急勾配で高架上に達し、JR在来線の線路をまたぎ、新幹線の高架をくぐって西側に達します。半径30メートルの急カーブで南に向きを変え、高架上にJR宇都宮駅西口停留所を設置します。

宇都宮LRT西側延伸路線図
画像:「芳賀・宇都宮LRT事業について」(令和7年8月1日、宇都宮市)

 

JR宇都宮駅西口停留場は、2階レベルの高架駅になります。JR改札階(2階)との間には、交流広場を設けることを検討します。JR改札口から停留所までフラットなアクセスになるようで、おそらくは屋根も設けられるでしょう。

宇都宮LRT西側延伸路線図
画像:「芳賀・宇都宮LRT事業について」(令和7年8月1日、宇都宮市)

 
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東武宇都宮駅との間にシェルター

西口停留所から、再び半径30メートルのカーブで馬場通りにでて、60パーミルの急勾配で道路上に降ります。

東武宇都宮駅前停留場付近は,道路の勾配が40パーミル程度となっています。軌道建設規程では停留場部の勾配は10パーミル以下とされているので、道路と分離した軌道構造とし、勾配を緩和して停留所を設置します。

宇都宮LRT西側延伸東武宇都宮駅前
画像:「芳賀・宇都宮LRT事業について」(令和7年8月1日、宇都宮市)

 

東武宇都宮駅前停留所から、東武宇都宮駅までは、200メートルほど離れています。その動線にあたる東武馬車道通りには、シェルター(屋根付き通路)など雨に濡れない機能の確保や、通勤・通学の人などが滞在できる空間の創出などを検討しています。

宇都宮LRT東武宇都宮駅動線
画像:「芳賀・宇都宮LRT事業について」(令和7年8月1日、宇都宮市)

 
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終点付近に車庫を設置

各停留所のホーム延長は、原則として30メートルですが、JR宇都宮駅西口、馬場町、県庁前、東武宇都宮駅前、桜通り十文字、護国神社前の停留場については、多くの利用が想定されるため,ホーム長を40メートルとします。

東武宇都宮駅の西側に、下り線から上り線への渡り線を設けます。これにより、JR宇都宮駅方面から、東武宇都宮駅での折り返し列車の設定が可能になります。

終点の教育会館前近くには、車庫を設けます。宇都宮駅東側の車両基地を補完する位置づけの留置施設です。教育会館前に近接した県有地に設置することが有力です。

宇都宮LRT西側延伸路線図
画像:「芳賀・宇都宮LRT事業について」(令和7年8月1日、宇都宮市)

 
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利用者倍増を想定

開業後の想定利用者数は、東西あわせて約31,500人とし、最小の場合で約28,600人、最大で約34,000人としています。

既開業区間の2025年7月の月間利用者数が約50.6万人だったので、1日平均16,300人です。したがって、西側延伸により、利用者がほぼ倍増すると見込んでいることになります。

運行頻度はピーク時6分間隔、オフピーク時は10分間隔を予定します。現状より運行本数を増やすことを想定しているようです。宇都宮駅西口~教育会館前の所要時間は、上り20分、下り22分です。

宇都宮LRT西側延伸概略
画像:「芳賀・宇都宮LRT事業について」(令和7年8月1日、宇都宮市)

 
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開業時期は2030年代半ばか

軌道事業の特許申請時期は2025年10月頃をメドとします。 工事着手時期は、2028年内を目指します。

開業予定時期については、用地買収や地下埋設物の移設などに時間がかかるため、これまで目標に掲げていた2030年は難しい状況です。

具体的な開業時期は示されていませんが、JR宇都宮駅周辺の立体交差は難工事も予想されます。そのため、開業時期が2030年代半ばになる可能性もありそうです。(鎌倉淳)

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