石巻線が4年ぶりに全線復旧します。宮城県女川町とJR東日本仙台支社は、東日本大震災で被災し休止中の石巻線浦宿~女川間の運行を2015年3月21日に再開し、あわせて駅周辺の復興を宣言する「まちびらき」を行うと発表しました。
石巻線は、小牛田~女川間、44.kmを結ぶ路線です。2011年3月11日の東日本大震災で全線が不通となりましたが、同年5月19日までに小牛田~石巻間の運転が再開され、2012年3月17日に石巻~渡波間、2013年3月16日に渡波~浦宿間が運転再開しました。最後に残された浦宿~女川間2.3kmが、来春復旧することになります。
駅舎は内陸の高台に移設
女川駅は東日本大震災の津波により駅舎がほぼ完全に流失するという被害を受けました。そのため、復旧に際しては、震災前より約200メートル内陸に移設します。高さとしては7メートルのかさ上げです。
新駅舎は町営の「女川温泉ゆぽっぽ」と併設され、現在女川町が建設を進めています。鉄骨3階で延べ床面積約900平方メートル。1階が駅、2階が浴場で、3階は展望フロアです。ゆぽっぽは2015年3月22日にオープンします。
駅舎の基本設計やデザインなどは坂茂建築設計が担当し、施工は戸田建設東北支店です。建築費は設備一式を含めて7億8700万円です。
復興街区の中心的存在に
駅舎周辺には駅前広場が設けられ、女川港にかけて延びるプロムナードや、商店街、水産業体験館「あがいんステーション」などが順次整備される予定です。駅一帯は女川町内初の本格的な復興街区となります。
ちなみに、下の写真が、2014年1月に撮影された復興街区です。写真は女川町まちづくり説明会で使われたもの。
ご覧の通り、丘の上を造成し、線路も敷き直して駅が建設されます。ほとんどゼロから作っていることがよくわかります。地元の方はもちろん、JRの努力にも敬意を表したいところです。