一畑電車、2034年度までの存続固まる。10年間で80億円の支援へ

次期支援計画の素案了承

一畑電鉄の次期支援計画の素案がまとまりました。10年間で約80億円を支出して、線路や車両などの更新をすすめます。

広告

輸送密度1,155

一畑電車は、島根県の地方私鉄です。電鉄出雲市~松江しんじ湖温泉間の北松江線と、川跡~出雲大社間の大社線の2路線を運行しています。2021年度の全線の輸送密度は1,155です。

一畑電車は、鉄道施設などのインフラ部を同社が保有していますが、その維持費用を自治体などが負担する「みなし上下分離方式」を採用しています。沿線自治体の島根県、松江市、出雲市は、一畑電車沿線地域対策協議会を組織し、一定期間ごとに支援計画を作っています。

現在の支援計画は2025年度までとなっているため、協議会では次期支援計画の検討をすすめていましたが、このほど、その素案を了承しました。対象期間は2025年度から2034年度の10年間です。

一畑電車7000系

広告

総額80億円

次期支援計画の素案によると、財政支援の総事業費は10年間で約80億円です。国が23億円、県が28億円、松江市が10億円、出雲市が18億円を負担します。

おもな用途は線路や枕木など、鉄道設備の更新です。車両については、現在の支援計画で定められている、デハ7000系4両の導入を進めます。

広告

2034年度までの存続確定

一畑電鉄の現在の支援計画は5年間で、総額24億円です。1年あたりでは約5億円です。

これに対し、次期支援計画は10年間で約80億円ですので、1年あたり8億円と、金額が大きくなりました。

素案が大筋で了承されれば、一畑電車は、少なくとも2034年度までの存続が確定することになります。(鎌倉淳)

広告