成田空港の新駅が2030年代前半に開業しそうです。空港会社が新ターミナル建設スケジュールを示しました。どこに作られるのでしょうか。
「新しい成田空港」
成田空港には滑走路新設や延伸計画があり、現在、3つに分かれている旅客ターミナルを1つの新しい旅客ターミナルに段階的に集約する構想を掲げています。
これについて議論する有識者会議「新しい成田空港」構想検討会が、2024年6月6日に開かれました。
会議は非公開でしたが、報道によりますと、成田空港国際会社(NAA)は、新旅客ターミナルを段階的に整備する案を提示。「フェーズ1」では、新旅客ターミナルの半分を整備して開業します。
この際、第1旅客ターミナルや現成田空港駅は廃止し、新ターミナルに新駅を設置します。
2030年代後半までに完成へ
フェーズ1を完了後、新旅客ターミナルを増築する「フェーズ2」に入ります。フェーズ2では、第2、第3旅客ターミナルの機能を新旅客ターミナルに移設して集約します。移設・集約が完了すると、現空港第2ビル駅は廃止されます。
さらに、旅客需要などに応じて、現在の第1ターミナル跡地に増築を検討します。これが「フェーズ3」です。
成田空港会社によると、「フェーズ1」が2030年代前半までに実施し、「フェーズ2」が2030年代後半になるそうです。
新駅の位置は?
では、新ターミナル開業により、鉄道線はどう変わるのでしょうか。
構想を聞く限り、現在の空港第二ビル駅の先でカーブしている線路を、直線方向に分岐させる考え方のようです。つまり、新駅は、現空港第2ビル駅の700~800mほど南東側、ということになるのでしょう。下図は筆者による推定です。
この形の場合、集約するのは「成田空港駅」と「空港第2ビル駅」の2駅のみとなります。
気になるのは「東成田駅」ですが、集約する場合は、芝山鉄道線を新駅に乗り入れさせる必要があります。線形的に不可能ではなさそうですが、大工事になりますので、それはせず、同線の発着は東成田駅のままとする可能性もありそうです。その場合、東成田駅は存置されます。
京成スカイアクセス線やJR成田線の単線区間の問題については、新駅とは直接関係ないので、別途協議される話になりそうです。(鎌倉淳)