エアージャパンの研究。成田~バンコク線を24年2月開設。時刻表、価格から機内サービスまで

ハイブリッドエアライン?

ANAグループの新ブランド「AirJapan(エアージャパン)」が、成田~バンコク線を2024年2月9日に開設します。時刻表や価格、手数料、機内サービスなどの詳細を徹底研究してみましょう。

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ANAの第3ブランド

「AirJapan(エアージャパン)」は、ANAグループのエアージャパンが運航する新ブランドです。フルサービスキャリア(FSC)の全日空(ANA)と格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションに続く、ANAグループの第3ブランドという位置づけです。

エアージャパンは、FSCとLCCの長所を両方取り入れた「ハイブリッドエアライン」を目指しています。FSCのような快適さと、LCC的な料金制度を併せ持つ、新しい形の航空会社です。東南アジアを中心とした中距離路線が主なターゲットです。

その最初の路線に選ばれたのが、成田~バンコク(スワンナプーム)線。2024年2月9日に、週6便で開設します。

エアージャパン
画像:AIRJAPAN

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エアージャパン、バンコク線時刻表

エアージャパンの成田~バンコク線の時刻表は以下の通りです。

■エアージャパン成田~バンコク線スケジュール

NQ1 成田17:55→23:15バンコク 月水木金土日
NQ2 バンコク00:15→08:10成田 月水木金土日

成田を夕方に出発して、バンコクに深夜到着。バンコクを未明に出て、成田に早朝到着します。

正直なところ、日本人旅行者には使いにくい時間帯です。出発便に乗るには都内を15時頃に出なければなりませんので、仕事を終えて乗るには早すぎます。バンコクのホテルに入るのは未明2時頃になりそうで、観光1日目はちょっとしんどいでしょう。

帰国便も、成田に8時すぎに到着となると、都内に入れるのは10時すぎ。出社するにしても午後からになりますし、1日の使い方が難しくなります。

ということで、どちらかといえば、バンコク在住の訪日客が使いやすい時間帯です。インバウンドを意識した運航スケジュールになっていると受け止めることもできそうです。

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シートピッチは標準的

機材はボーイング787-8型機で、オールエコノミーのモノクラス324席です。ANAが現在運航している機体を改修して使用します。

シートマップは以下の通りです。

エアージャパン座席配置図
画像:AIRJAPAN

シートピッチは32インチ(約81センチ)で、ANAの国際線仕様の標準である34インチよりやや狭いです。ただ、欧米系のFSCのエコノミークラスでは、31-32インチが多いので、エアージャパンの座席は海外FSC並みといっていいでしょう。

ピーチを含むLCCの主流である28-29インチよりは広めです。とはいえ、LCCでもエアアジアのA330型機など、中長距離路線向けの機材では31-32インチが多いので、エアージャパンの32インチは、LCC中長距離用の機材として特に広いとまではいえません。

横は9列で、座席幅は17.5インチ(約44センチ)です。こちらもB787の国際線機材としては標準的です。横10列の会社もありますので、それに比べればゆったりです。

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機内Wi-Fiは有料

座席にはUSBポート(Type-A及びType-C)が付いています。AC電源は利用できません。

機内には有料Wi-Fiサービスがあります。30分6.95ドル、3時間16.95ドル、フルフライト21.95ドルです。ちょっと使うだけでも日本円で1,000円、フルフライトで楽しむと3,000円程度かかることになります。

機内Wi-Fiで配信される映画や動画は無料です。乗客自身のスマートフォンやタブレットで見ることができます。座席にはタブレットホルダーがついています。

エアージャパンのシート
画像:AIRJAPAN

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エアージャパンの料金

気になる価格ですが、運賃プランは「シンプル」「スタンダード」「セレクテッド」の3種類が設定されています。

「シンプル」=有料オプションなし
「スタンダード」=1,500円までの事前座席指定と、預入手荷物23kgまで1個
「セレクテッド」=3,000円までの事前座席指定と、預入手荷物23kgまで2個、機内食

成田~バンコク線の片道運賃は、スタンダードが15,500円から、スタンダードが19,200円から、セレクテッドが23,800円からです。つまり、追加料金は、スタンダードが3,700円、セレクテッドが8,300円となります。

2歳以上6歳以下の小児運賃は定額で、シンプルが8,000円、スタンダードが10,590円、セレクテッドが15,300円。いずれも燃油サーチャージはかかりません。

エアージャパンの料金プラン
画像:ANAプレスリリース

 

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手荷物料金

いずれの料金でも、無料で機内持ち込める手荷物は7kgまでです。預入手荷物を追加する場合、預入手荷物料金がかかります。

通常手荷物(23kgまで)は、航空券購入時で3,700円、航空券購入後の追加は4,200円、空港購入は9,200円です。追加手荷物は23kg~32kgで3,000円です。

「シンプル」プランの場合、3,700円を追加で払って荷物を預けると、「スタンダード」プランと同額になります。「スタンダード」なら座席指定ができますので、預託手荷物があるのならば、「シンプル」を選ぶ理由はなさそうです。

エアージャパン手荷物料金
画像:AIRJAPAN

 
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実際に予約をしてみると

実際に予約をしてみると、「シンプル」の最低運賃の場合、空港使用料など諸費用込みで成田~バンコク間の往復が37,540円となりました。この場合、荷物は7kgまでで、座席指定も機内食も一切なしです。

ただ、さすがに海外旅行で手荷物7kgの制限は厳しいので、預入手荷物のオプションは必要でしょう。

前述したように、預入手荷物料金は「スタンダード」の追加料金と同額なので、別途手荷物料金を払うならば、最初から「スタンダード」にしてしまった方がいいでしょう。そうすると、1,500円までの座席指定がついてきます。

「スタンダード」の成田~バンコク間の往復最低価格は、諸費用込みで44,940円となります。

座席指定料金

座席指定料金は、1,000円~5,000円で設定されています。最前列座席が5,000円で、前方足元の広い席が4,500円。非常口座席と前方以外の足元の広い座席が4,000円などとなっています。

詳細は、予約時に表示される下記画面をご覧ください。

エアージャパン座席指定席券
画像:AIRJAPAN予約サイトより

1,500円以下で予約できる座席は、中央後方の窓/通路座席(1,500円)、中央後方の中央座席(1,000円)のみです。つまり、「スタンダード」で予約できる座席というのは、「中央後方の足元の広くない全席」です。窓側も空いていれば取ることができます。

前方席と中央後方席の価格差は、窓/通路側で1,500円、中央で1,000円です。ただし、前方席はフリードリンクになっています。「機内ドリンク飲み放題」のオプション付きの価格、と解釈することもできるでしょう。

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機内食のメニューと価格

機内食は航空券の予約時に購入できる「事前購入メニュー」と、搭乗当日に機内で購入できる「機内購入メニュー」があります。

事前購入メニューは以下の通りです。メニュー名は当サイトが省略して表記しています。正式なメニュー名は添付画像をご覧ください。

・ハンバーグドリア=1,400円
・おむすび弁当、町中華セット=1,500円
・親子丼、チキン南蛮丼、鮭照り焼き丼、カツサンド、グリーンカレー、ハラル、=1,600円
・デコ弁(かわいいランチボックス)=1,800円
・にぎり寿司=2,000円

エアージャパン機内食
画像:ANAプレスリリース

このほか、日本発限定メニューとして、食事サラダ1,600円、フルーツ800円があります。

事前購入メニューは、日本発便は出発の24時間前、海外発便は出発の33時間前までに予約が必要です。日本発限定メニューは96時間前です。

機内購入メニュー

機内食の「機内購入メニュー」は以下の通りです。価格は未定です。

・カレー、鯖定食、クリームシチュー、にんじんジュース、焼き芋

エアージャパン機内食
画像:AIRJAPAN

機内食はどう考えても、事前購入メニューがよさそうです。価格は1,600円前後なので、節約旅行者には考えどころですが、温かいものを用意してもらえると考えれば、高額とまでは言えないでしょう。

機内食に含まれるドリンクは「水」のみです。コーヒーなどを飲みたい場合は、前方席を予約して、「ドリンク飲み放題」にしたほうがよさそうです。

そうすると座席指定料金が高くなるので、最初から「セレクテッド」運賃を選ぶといいでしょう。「シンプル」に比べて8,300円増、「スタンダード」に比べて4,600円増です。

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第1ターミナルを使用

エアージャパンの成田空港のターミナルは、ANA便と同じ第1ターミナルです。

ANAグループでの国際線乗り継ぎを意識した配置といえます。この点からも、日本人客よりも、外国人客を意識した航空会社といえます。

第1ターミナルは鉄道利用が便利なので、節約するなら京成電車を利用するといいでしょう。

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ハイブリッド?

「ハイブリッドエアライン」を標榜するエアージャパンですが、全体をみると、LCCに寄った料金体系・サービス内容に感じられます。シートピッチは安めのレガシーキャリア並みですが、料金システムはまるっきりLCCです。

注意点として、エアージャパンのチケットは、乗客都合のキャンセルや変更が一切できません。搭乗者名の変更もできません。これもLCCルールです。予約便に欠航・大幅遅延が発生した場合のみ、手数料なしで払い戻しや変更が可能です。

したがって、旅行者としても、エアージャパンは「LCC」と解釈して利用するのがよいでしょう。

個人的な感想をいえば、「ハイブリッド」を称するなら、もう少し既存のLCCにはないようなサービスがあるのかな、と思っていましたが、どうも見当たりません。

レガシー的に利用するなら

レガシー的なサービスを期待するなら、料金プランのうち「セレクテッド」を選ぶといいでしょう。簡単な機内食を予約でき、機内ドリンクは飲み放題、機内預託手荷物は2個までOKという、レガシーキャリアのエコノミークラスと同等のサービスを受けられます。

「スタンダード」を選ぶと、後部座席なら指定でき、手荷物も一つ預けられ、食事・ドリンクはなしという、典型的なLCCサービスとなります。(鎌倉淳)

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