のと鉄道に観光列車が導入されます。デザインも発表され、内装に輪島塗など伝統工芸品を配する和風列車になることがわかりました。
この観光列車は、北陸新幹線の金沢開業にあわせて導入されるもので、ディーゼルカーの新車2両が増備されます。費用3億円は地元自治体が負担しました。車両は44人乗りで、新潟トランシスに発注。運行開始は2015年のゴールデンウィーク前後になりそうです。
日本海を意識した青色
新しい車両の車体は日本海を意識した青色で、「里山里海」と「能登のぬくもりと懐かしさ」がコンセプト。デザインは工業デザイン会社「コボ」の山村真一代表が監修しました。内装には輪島塗の敷板や七尾市田鶴浜の建具など、能登の伝統工芸品を配します。輪島塗や珠洲焼を展示するミニギャラリーも設置されます。
座席配置はテーブル付きのボックス席が28席で、海と正対する展望シートが14席。運転士隣の「かぶりつき」展望シートも2席設けられます。
車内には冷蔵設備などを備えたサービスカウンタも設置。「能登丼」や能登大納言小豆を使用したスイーツ、能登の地酒、ワインなども販売される予定です。
運行区間は七尾~穴水間で、1日最大3往復の運転を計画。団体を中心に集客し、席が空いている場合に個人も乗れるようにする方針です。通常運賃に加えて追加料金をとるかどうかは検討中とのことです。
最近各地で増えている観光列車ですが、のと鉄道では、上記のように団体旅行者をメイン・ターゲットに据えました。のと鉄道によると、団体旅行客は2008年に4866人だったのが、2013年には3万9095人に増えていて、そうした集客の延長線上に観光列車を位置づけているようです。
のと鉄道といえば、第三セクター発足後、どんどん路線を縮小してきた印象がありますが、ここに来て団体客や鉄道ファンの集客に力を入れていく姿勢を鮮明にしてきました。その成果に期待したいところです。