新幹線の指定席料金と自由席料金の値段差はいくらでしょうか。通常は「530円」ですが、最近は例外も多くなっています。わかりやすく解説してみましょう。
座席指定の「基本料金」は530円
新幹線・特急などJR列車の自由席と指定席の値段差は530円が基本です。したがって、JRの座席指定の基本料金は530円ということになります。
ただ、連休などの繁忙期は200円増の730円になり、ゴールデンウィークなどの最繁忙期は400円増の930円となります。一方、閑散期には200円引の330円になります。
混雑している時期は指定席の価格が高くなり、混雑していない時期は安くなる、ということです。一方、自由席は通年同額です。
自由席と指定席の差額表
季節による、自由席と指定席の値段差をまとめたのが下表です。
シーズン | 値段差 |
---|---|
閑散期 | 330円 |
通常期 | 530円 |
繁忙期 | 730円 |
最繁忙期 | 930円 |
閑散期、繁忙期
ここで気になるのが、閑散期、繁忙期、最繁忙期がいつか、ということですが、その区分は、やや複雑です。
おおざっぱには、閑散期がオフシーズンの平日、通常期はオンシーズンの平日や通年の週末、繁忙期が連休や学休期、最繁忙期がゴールデンウィーク、お盆、年末年始です。
路線や会社により日にちが異なりますので、詳細はご利用になるJR各社のホームページをご覧下さい。
2023年のゴールデンウィークに関しては、東北・北海道、上越、北陸、秋田、山形新幹線は4/27~5/6が最繁忙期、5/7が通常期、5/8~10が閑散期です。東海道・山陽・九州、西九州新幹線は、4/28~5/7が最繁忙期、5/8~11が閑散期です。
連休の休みを1日伸ばし、5/8に新幹線を利用すれば、指定席料金が格段に安くなる、ということです。
「のぞみ号」「みずほ号」には加算料金
東海道・山陽新幹線の「のぞみ号」「みずほ号」は、指定席に限り「加算料金」がかかります。この金額は東京〜名古屋で210円、東京〜新大阪で320円、東京〜博多で1,060円などとなっています。
一方、自由席に「加算料金」はかかりません。したがって、「のぞみ号」「みずほ号」の指定席に乗る場合は、自由席との値段差が大きくなります。
「のぞみ号」「みずほ号」主要区間における、自由席と指定席の値段差(指定席料金+加算料金)は以下の通りです。
区間 | 自由席 | 指定席 通常期 |
値段差 |
---|---|---|---|
東京~名古屋 | 10,560円 | 11,300円 | 740円 |
東京~京都 | 13,320円 | 14,170円 | 850円 |
東京~新大阪 | 13,870円 | 14,720円 | 850円 |
東京~新神戸 | 14,420円 | 15,490円 | 1,070円 |
東京~岡山 | 16,600円 | 17,770円 | 1,170円 |
東京~広島 | 18,380円 | 19,760円 | 1,380円 |
東京~新山口 | 20,470円 | 22,060円 | 1,590円 |
東京~小倉 | 21,560円 | 23,150円 | 1,590円 |
東京~博多 | 22,220円 | 23,810円 | 1,590円 |
新大阪~岡山 | 5,610円 | 6,460円 | 850円 |
新大阪~広島 | 9,890円 | 10,950円 | 1,060円 |
新大阪~新山口 | 12,320円 | 13,590円 | 1,270円 |
新大阪~小倉 | 13,870円 | 15,140円 | 1,270円 |
新大阪~博多 | 14,750円 | 16,020円 | 1,270円 |
新大阪~熊本 | 18,350円 | 19,620円 | 1,270円 |
新大阪~鹿児島中央 | 21,780円 | 23,050円 | 1,270円 |
最大1,990円
利用者の多い東京~京都・新大阪間を例に取ると、通常期の自由席と指定席の値段差は850円です。
閑散期の場合は、上表から200円引き、繁忙期は200円増し、最繁忙期は400円増しとなります。したがって、ゴールデンウィークなどの最繁忙期の「のぞみ号」では、東京~京都・新大阪間で1,250円も座席指定料金がかかることになります。
「のぞみ号」の加算料金は山陽新幹線区間で大きく、通常期の新大阪~小倉・博多の値段差は1,270円です。東京~小倉・博多となると、通常期で1,580円、最繁忙期で1,990円にも達します。
最繁忙期の座席指定は重要ですが、その料金が2,000円近い金額となると、ちょっと二の足を踏む人も出てくるかもしれません。
なお、「ひかり号」「さくら号」「こだま号」には加算料金はありませんので、区間にかかわらず、自由席と指定席の値段差は、通常期で530円、最繁忙期でも930円です。節約しながら座席を確保したい場合は、こうした列車を使うといいでしょう。
東海道・山陽新幹線内では、列車を乗り継いでも座席指定料金は通算しますので、たとえば東京~新大阪を「ひかり号」、新大阪~博多間を「さくら号」と乗り継いでも、座席指定料金は通常期なら530円、最繁忙期でも930円です。
「はやぶさ号」「こまち号」の加算料金
東北新幹線の「はやぶさ号」「こまち号」についても、区間により100円〜520円の加算料金がかかります。ただし、「はやぶさ号」「こまち号」に自由席はありませんので、「自由席との値段差」というとらえ方はありません。
東北新幹線では、「やまびこ号」に自由席がありますので、それとの値段差をみると、以下のようになります。
区間 | やまびこ 自由席 |
はやぶさ 指定席 通常期 |
値段差 |
---|---|---|---|
東京~仙台 | 10,560円 | 11,410円 | 850円 |
東京~一ノ関 | 12,530円 | 13,480円 | 950円 |
東京~盛岡 | 13,960円 | 15,010円 | 1,050円 |
節約旅行なら「やまびこ」
東京~仙台間で、「はやぶさ」「こまち」指定席と「やまびこ」自由席の値段差は通常期850円。東京~盛岡で1,050円です。
「はやぶさ」「こまち」と「やまびこ」では、停車駅と所要時間がだいぶ違うので単純比較はできませんが、東北方面へ節約旅行をしたいのなら、「やまびこ」自由席は狙い目といえそうです。
九州、上越、北陸などの他の新幹線は、列車による加算料金はなく、自由席と指定席の値段差は、どの列車でも通常期530円、最繁忙期で930円です。(鎌倉淳)