白馬岩岳リゾートがゴンドラを架け替えます。現ゴンドラに並行する位置に建設し、2024年12月の営業開始を目指します。
独立峰のゲレンデ
白馬岩岳マウンテンリゾートは、白馬エリアの北部に位置するスキー場です。白馬エリアでは珍しく、独立峰から滑り降りる標高差539mのゲレンデを有します。最近はグリーンシーズンのアトラクションも豊富で、オールシーズンで観光客が訪れるエリアになっています。
山麓から山頂まで一気に登れるゴンドラリフトが設置されていますが、現ゴンドラは1986年に架設されたもので、すでに35年以上運行を続けています。老朽化による振動・騒音の多さを感じるようになっていて、混雑日の輸送力不足といった課題にも直面していました。
そこで、施設を保有する岩岳リゾートは、新ゴンドラを現ゴンドラとほぼ並行する位置に設置することを決定。2024年12月の営業開始を目指すと発表しました。
定員10人の大型搬器
新ゴンドラの距離は約2,149m、高低差は約536mです。現状が約2,183m、約531mですので、大きくは変わりません。
導入するのは、国内最大手の索道メーカーである日本ケーブルが手掛ける「UNIGタイプ」の10人乗り。既存ゴンドラは6人乗りですので、大型化により車内空間が広がります。
バリアフリー対応もおこなわれ、乗降場と搬器の段差をなくします。スキーやスノーボードも搬器内に持ち込めます。グリーンシーズンにはマウンテンバイクも2台積み込みが可能です。
搬器は四面とも強化樹脂ガラスに覆われ、全方位のパノラマビューが可能となります。北アルプスの絶景を楽しめます。
速度も向上
ゴンドラ速度は6m/s。既存ゴンドラの5m/sから向上し、所要時間はこれまでの約8分から1分以上短縮する見通しです。
大型化と速度向上により、輸送力は毎時1,350人から1,800人(搬器の追加導入により最大2,400人まで対応可能)と大幅に向上し、大型連休など混雑日の行列が改善しそうです。
減速運転も可能になり、耐風性に優れます。支柱本数は既存ゴンドラリフトの22本から10本程度へと大きく削減。支柱本数の減少や新型ワイヤーロープ、索輪の採用により、乗車時の静粛性も大きく向上します。
既存ゴンドラについては、新ゴンドラの営業開始までは現行通りの営業を続け、新ゴンドラ完成後に解体を行う予定です。(鎌倉淳)