京都市は、市バスや地下鉄の1日乗車券類を10月1日に値上げします。バス1日券を700円、地下鉄バス1日券を1,100円とし、2日券は廃止します。
バス1日券700円
京都市交通局は、市バスと市営地下鉄の割引乗車券について、「抜本的見直し」を行うと発表しました。2021年10月1日から、1日券などフリーきっぷを以下のように値上げします。地下鉄・バス2日券については廃止します。
・バス一日券:600円→700円
・地下鉄・バス一日券:900円→1100円
・地下鉄・バス二日券:廃止
・地下鉄一日券:600円→800円
・京都修学旅行1dayチケット:700円→800円
・京都修学旅行1dayチケット(京阪電車拡大版):1000円→1100円
また、割引付きの磁気カード乗車券である「トラフィカ京カード」と、昼間回数券については、10月1日で発売を終了します。
乗継割引も廃止
2023年4月1日からは、交通系ICカード乗車券による乗継割引、PiTaPaの利用額割引を廃止。市バス・京都バスと市営地下鉄の連絡普通券も廃止します。京阪バス・京阪京都交通と市営地下鉄の連絡普通券のみ継続します。
代替措置として、2023年4月1日から、ICカード乗車券「ICOCA」「PiTaPa」について、市バス、京都バス、市営地下鉄を利用した場合にポイントを還元する登録型のポイントサービスを導入します。詳細は今後発表します。
普通運賃には手を付けず
京都市交通局は、新型コロナウイルス感染症の拡大により利用者が激減しており、大幅な赤字に陥っています。今回の値上げは赤字削減が目的ですが、普通運賃や定期運賃には手を付けず、フリーきっぷと回数券、乗継割引に的を絞ったものとなりました。
京都市バスの均一区間の運賃は230円と、政令市の均一運賃としては高め。一方、1日券の現行価格600円は他都市と比べても高いとはいえず、1日券に値上げ余地があったことは確かです。
ただ、新型コロナウイルス感染症が広まる前、京都市バスは観光客による混雑が問題となり、1日乗車券を500円から600円に値上げする一方で、地下鉄・バス1日券を1,200円から900円に値下げして価格差を縮小し、地下鉄利用に誘導する施策をとったばかりです。
新型コロナで状況が変わったとはいえ、地下鉄・バス1日券の値上げ幅を大きくしたことで、観光客が戻ってきた後、再びバスが混むようにならないか、心配な面もあります。(鎌倉淳)