JR東海道線「村岡新駅」の概要。大船~藤沢間、湘南貨物駅跡地に設置

周辺再開発も

JR東海道線の大船~藤沢間の「村岡新駅」の設置が正式に決まりました。神奈川県、藤沢市、鎌倉市とJR東日本が新駅設置に合意し、覚書を交わしています。

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湘南貨物駅跡地

「村岡新駅」は、JR東海道線の大船~藤沢間にあった湘南貨物駅跡地に計画されている新駅です。住所では藤沢市村岡東で、下記Googleマップでは、ミズノフットサルプラザ藤沢やTSUTAYA村岡店付近に位置します。周辺に工場や空き地が多いことがわかります。

村岡新駅位置
画像:神奈川県

1985年に湘南貨物駅が廃止され、1997年に藤沢市が跡地を約42億円で購入、スポーツ施設などとして暫定利用してきました。2006年に、近隣の武田薬品工業の湘南工場が生産を終了。当時の松沢成文知事が武田薬品に新研究所の設置を要請し、新駅誘致も表明。新駅実現への機運が高まりました。

2018年12月27日には、新駅の整備と一体的まちづくりの実現に向け、神奈川県と藤沢市、鎌倉市の地元自治体が費用負担割合などで合意。県と両市は「村岡新駅設置協議会」を設立し、JR東日本と協議してきました。

その結果、2021年2月8日に、県・両市とJR東日本が新駅を設置することに合意し、覚書を締結。実現が本決まりになりました。開業時期は2032年ごろを予定しています。

村岡新駅
画像:神奈川県

事業費150億円

新駅の予定地は、藤沢駅から約2km、大船駅から約2.6km離れた位置です。概略設計によりますと、新駅は橋上駅で、駅舎の敷地面積は約880平方メートル。島式1面2線のホームを設置します。

概算事業費は約150億円で、内訳は建設費133億円、駅設置に伴うシステム改修費11億円などとなっています。事業費は県が30%、藤沢、鎌倉両市が27.5%ずつ、JR東日本が15%を負担します。

乗降客数の想定は1日約65,000人で、約35,000人が周辺の駅から新駅の利用に切り替え、再開発による利用者増を約30,000人と見込みます。藤沢市の「村岡・深沢地区総合交通戦略」によりますと、村岡新駅の設置により、湘南モノレールの湘南深沢駅から約46%、大船駅と藤沢駅、湘南町屋駅から約6%、それぞれ利用者が新駅に転移すると見込まれています。

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市役所移転計画も

周辺では再開発を予定していて、藤沢市の「村岡地区」と鎌倉市の「深沢地区」で一体的に取り組みます。

村岡地区には、駅の南北をつなぐ自由通路を設け、南北それぞれに駅前広場(交通広場)を配置します。湘南ヘルスイノベーションパークや神戸製鋼所に隣接するほか、周辺の既存住宅エリアからもアクセスしやすいように配慮します。

村岡地区再開発
画像:村岡新駅周辺地区まちづくり方針案

大きな再開発となるのは深沢地区で、鎌倉市役所の移転を計画しているほか、住宅や商業施設を配置する予定です。村岡・深沢両地区を結ぶシンボル道路も整備し、湘南深沢駅までつながります。トランジットモールや次世代交通の導入も検討します。

深沢地区再開発
画像:深沢地域整備事業の土地利用計画(案)

新駅の名称は未定です。平等に費用負担する藤沢・鎌倉両市に配慮するなら「村岡深沢」駅などが候補になりそう。

JR東日本のネーミングセンスにも期待したいところですが、地元自治体が8割以上を負担することから、お役所的な無難な駅名になるのでは、と予想します。

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