東海道・山陽新幹線で設定されている「新幹線回数券」の設定区間が縮小されます。ただ、東京~新大阪など主要区間は存続となりました。その概要を見てみましょう
86区間を廃止
JR東海とJR西日本は、東海道・山陽新幹線の「新幹線回数券」について、2021年3月31日を以て、一部区間の設定の販売を終了すると発表しました。
廃止されるのは、「グリーン車用」が3区間、「普通車指定席用」が18区間、「普通車自由席用」が65区間です。合計86区間で、具体的には以下の区間です(都区内、市内発着の記述は省略)。
種類 | 区間 | |
---|---|---|
グリーン車用 | 東京 | 静岡 |
京都 | ||
新神戸 | ||
普通車 指定席用 |
東京 | 静岡 |
浜松 | ||
西明石 | ||
小倉 | ||
名古屋 | 西明石 | |
福山 | ||
小倉 | ||
京都 | 徳山 | |
新山口 | ||
小倉 | ||
新大阪 | 徳山 | |
新山口 | ||
新神戸 | 徳山 | |
新山口 | ||
姫路 | 小倉 | |
博多 | ||
福山 | 小倉 | |
博多 | ||
普通車 自由席用 |
東京 | 三河安城 |
新横浜 | 掛川 | |
浜松 | ||
米原 | ||
小田原 | 三島 | |
新富士 | ||
掛川 | ||
浜松 | ||
豊橋 | ||
京都 | ||
新大阪 | ||
熱海 | 名古屋 | |
新大阪 | ||
三島 | 豊橋 | |
京都 | ||
新大阪 | ||
新富士 | 京都 | |
新大阪 | ||
静岡 | 京都 | |
掛川 | 浜松 | |
京都 | ||
新大阪 | ||
浜松 | 三河安城 | |
米原 | ||
豊橋 | 京都 | |
新大阪 | ||
三河安城 | 名古屋 | |
京都 | ||
新大阪 | ||
岐阜羽島 | 米原 | |
京都 | ||
米原 | 新大阪 | |
京都 | 西明石 | |
新大阪 | 新神戸 | |
西明石 | ||
相生 | ||
新倉敷 | ||
新尾道 | ||
三原 | ||
新神戸 | 西明石 | |
姫路 | ||
相生 | ||
新倉敷 | ||
三原 | ||
西明石 | 岡山 | |
福山 | ||
広島 | ||
姫路 | 福山 | |
相生 | 岡山 | |
岡山 | 新倉敷 | |
三原 | ||
徳山 | ||
新山口 | ||
新倉敷 | 広島 | |
福山 | 徳山 | |
新山口 | ||
広島 | 新岩国 | |
新岩国 | 小倉 | |
博多 | ||
徳山 | 新山口 | |
新下関 | ||
新山口 | 新下関 | |
厚狭 | 小倉 | |
博多 | ||
新下関 | 小倉 |
グリーン車用
グリーン車用は、これまで、東京を発着地に、静岡、名古屋、京都、新大阪、新神戸、岡山、広島が設定されてきましたが、静岡、京都、新神戸を廃止。東京発着で残るのは名古屋、新大阪、岡山、広島の4区間となります。
京都・新大阪・新神戸~小倉・博多も存続しますので、計10区間が存続です。
普通車指定席用
普通車指定席用は、これまで東京を発着地に、静岡、浜松、名古屋、米原、京都、新大阪、新神戸、西明石、姫路、相生、岡山、新倉敷、福山、広島、徳山、新山口、小倉、博多と設定されてきました。このうち、静岡、浜松、西明石、小倉が設定から外れます。静岡、浜松は普通車自由席用が残りますが、西明石、小倉は新幹線回数券がなくなります。
新大阪発着では、これまで東京、新横浜、名古屋、広島、新岩国、徳山、新山口、小倉、博多で指定席回数券の設定がありましたが、今回、徳山、新山口発着の設定がなくなります。新大阪~徳山・新山口は自由席用の設定もありませんので、新幹線回数券がなくなります。
普通車自由席
普通車自由席用は、これまで東京を発着地に、三河安城以東の全駅と米原に設定されてきました。今回、東京発着では三河安城が設定から外れます。これにより、東京~三河安城間の新幹線回数券はなくなります。
新大阪発着では、これまで小田原~東広島間の各駅(名古屋除く)に自由席回数券が設定されてきました。今回、小田原、熱海、三島、新富士、掛川、豊橋、三河安城、米原、新神戸、西明石、相生、新倉敷、三原が廃止となります。これらの区間では新幹線回数券がなくなります。
主要区間は残る
東海道・山陽新幹線の回数券の縮小は、2019年3月につづくものです。2019年は、グリーン車用の遠距離区間と、新横浜、新神戸発着の設定が減りましたが、今回は、主力となる東京・新大阪発着で設定区間が削減されているのが特徴です。山陽区間では、徳山、新山口の両駅発着の削減も目立ちます。
全体に見て、利用区間が相対的に少ない区間が廃止対象となったようで、需要の多い区間は残されているといえます。東京~名古屋、京都、新大阪といった重要な区間の指定席回数券が温存されたことで、金券ショップの方々は胸をなで下ろしているかもしれません。
JR東日本は、2021年6月で、新幹線回数券を全廃しますので、それに比べれば東海道・山陽新幹線の回数券縮小はマイルドな形となりました。それだけ回数券利用者が多いのだろうと想像します。
ただ、新幹線乗車においてIC利用の比重が今後も増えていくのは間違いなく、将来的に、さらなる縮小が行われる可能性が高そうです。