与那国島と台湾を高速船で結ぶ事業が動き出します。2021年度に社会実験を開始し、数年かけて事業化を目指します。
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国境交流結節点化推進事業
日本最西端の島・与那国島と台湾の距離は約111km。与那国町と姉妹都市提携を結ぶ花蓮市とは約150kmの距離しかありません。しかし、現在、この間に定期航路はなく、住民や旅行者が気軽に往来することはできません。
こうした現状を打破し、両島を高速船で結び、ボーダーツーリズム(国境旅行)を実現させようという試みが始まります。与那国町の国境交流結節点化推進事業で、まずは2021年度に社会実験として、与那国~花蓮間の高速船運航を目指します。このほど、その調査委託事業の事業者が内定し、9月に調査がスタートすることが決まりました。
これまでにないルート
与那国島は国境の島ですが、出入国管理局や検疫所などはありません。そのため、調査では、これらの施設を臨時に設置するための手続きなどの法的条件の整理確認といった基本的な事柄から、使用する高速船の機能要件評価、最適運航日の検討、与那国2港(祖納港、久部良港)と花蓮港の港湾コンディション評価といった技術的な課題も整理します。
また、花蓮や台湾全域の市場動向を把握するなど、需要動向も調査。旅行商品案の検討も行います。社会実験は数年かけて行われ、国境航路の実績を重ねていきます。
新型コロナウイルス感染症により、現在は日本と台湾の往来は制限されています。そのため、予定通り2021年度に社会実験が行えるかは不透明ですが、その準備は進められるということです。
与那国~台湾航路が実現すれば、これまでにない新しい出入国ルートとなります。旅行者としては、将来の定期船就航まで期待したいところです。
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