名鉄名古屋駅が4線化されます。現在の3面2線の手狭なホームを改善。中部国際空港行き専用ホームの設置も検討します。
駅面積は2倍に
名古屋鉄道は、2027年に予定されているリニア中央新幹線の開業にあわせ、名鉄名古屋駅地区の再開発を予定しています。
再開発が行われるのは、名鉄百貨店本店本館から太閤通りをまたいで日本生命笹島ビルまでの、南北500mに達する広いエリアです。ここに南北400mの細長い形状の新駅ビルが建設され、その地下が名鉄名古屋駅となります。
再開発により、名鉄名古屋駅の駅面積は現在の2倍程度に拡張され、近鉄パッセから太閤通あたりまでが、新たな駅エリアとなります。拡張するスペースを使い、駅構造を4線化することを、名古屋鉄道が正式に発表しました。
2面4線が基本か
現在の名鉄名古屋駅は3面2線で、うち1つのホームが降車用になっています。乗車ホームとしては、2面だけで豊橋、岐阜、犬山、常滑など、さまざまな方面の列車を捌いており、混雑しているうえにわかりにくいという難点があります。4線化により、こうした難点の解消を目指します。
これが現状の名鉄名古屋駅。
以下のように、4線化します。
新しい駅構造やホームの配置は決定していません。ただ、上図を見ると、中央に2線が並び、少し離れて1線ずつの配置となっています。このため、上下線別に島式ホームを2面配置する2面4線が基本となりそうです。
計画図では、東側(名駅通側)にスペースが少し残っているので、そこにホームを1面加える可能性もありそうです。その場合、3面4線となります。
ホーム長を活かす?
注目は、中部国際空港行き専用ホームが設けられるかどうかです。
島式2面4線の配置では、1線全てを空港行き専用にすると非効率なので、実現は難しそうです。東側にホームを加える3面4線なら、1面を空港行き専用ホームとするのに適しています。
名鉄が公表した配置図を見ると、駅のスペースが南北に長く、300m程度のホーム長は確保できそうです。ならば、2面4線であっても、列車の停車位置を変えることで、ホーム端に中部空港行き専用スペースを設けることができそうです。
安藤隆司社長は、記者会見で「初めて名古屋を訪れた人にもわかりやすい駅にしたい」などと述べました。であるなら、なんらかの形で中部空港行きの専用乗車スペースが設けられる可能性は高いでしょう。
駅ビルの着工は2022年度、駅機能の使用開始は、リニア中央新幹線が開業する2027年を目指します。リニア開業に向けて、名古屋駅周辺では、名鉄以外でも交通基盤の整備が進められており、これからその姿を大きく変えそうです。