相模鉄道のJR直通用車両・12000系のデザインが発表されました。相鉄の新しいイメージカラー「ヨコハマネイビーブルー」を取り入れた、斬新な外観の新型車両です。
相鉄を印象づけるデザイン
相模鉄道(相鉄)では西谷駅と東海道貨物線を結ぶ「相鉄・JR直通線」の建設を進めていて、2019年度下期に開業予定です。開業後のJR線直通用に、新型車両12000系6編成(60両)を新造し、一部は2019年春に営業運転を開始する予定。その車両の概要が、このほど発表されました。
相鉄では、すでに東急線直通用の新型車両20000系も発表していますが、12000系もそれに準じたデザインとなっています。車両前面を立体的な形にし、塗装は相鉄独自の「ヨコハマネイビーブルー」と呼ばれる濃紺色で統一。相鉄線を印象付ける洗練されたデザインとなりました。
通勤電車の最新仕様
12000系は、JR東日本子会社の総合車両製作所の製造で、同社のステンレス車両「サスティナ」を採用。サスティナは車体を共通化して、製造費用や保守費用を抑えられる仕様で、兄弟車にはJR東日本のE235系、京王5000系、東急2020系などがあります。
12000系の車内はロングシートのみ。座席はユニバーサルデザインシートとしました。これは立ち座りを容易にするため座席の高さを上げ、座面を小さくしたシートです。
ベビーカー・車椅子用のフリースペースを全車両に設け、ナノイー搭載の空気清浄機も導入、Wi-Fiの提供も予定しています。通勤電車の最新仕様を手堅く入れ込んでいます。
どこを走るのか
このネイビーブルーの12000系はどこを走るのでしょうか。相鉄・JR直通線の、JR側の詳細な運行系統は未発表です。
相鉄西谷駅から羽沢横浜国大駅を経て、武蔵小杉駅に至るルートは明らかですが、線路はその先、埼京線、湘南新宿ライン、横須賀・総武線につながっています。いずれの路線に直通運転するかの公式発表はありません。
ただ、相鉄などが公表しているプロジェクトの地図を見ると、「山手線」の渋谷、新宿方面に乗り入れることが示されています。
いわゆる「山手線」に乗り入れることはなさそうなので、10連のロングシート、グリーン車なしという仕様から、山手線に併走する埼京線に乗り入れる可能性が高そうです。
12000系には「個別ドアスイッチ」が設けられましたので、より郊外部への直通運転が考慮されているようにも感じられますが、相鉄では「始発駅等」での空調効果を高めるためとしています。
埼京線に乗り入れた場合、ヨコハマネイビーブルーは渋谷から新宿、池袋、大宮を経て川越まで、その姿を現します。相鉄が東京都や埼玉県で、新たな存在感を見せつける日が、いまから楽しみです。