山陰線の鳥取~出雲市駅間を走る新しい観光列車「あめつち」の運行が、2018年7月1日から始まります。JR西日本では、運転日と時刻表、内装などを明らかにしました。
キハ47を改造
列車名「あめつち」は、山陰地方を舞台とした神話が多く書かれている古事記の書き出し「天地(あめつち)の初発(はじめ)のとき」にちなんでいます。車体は山陰の空や海を表す紺碧色。車体側面下部には、山陰の山並みとたたら製鉄にちなんだ日本刀の刃文をイメージしたあしらいが入りました。
車両は、キハ47形を改造した2両編成で、全59席。座席は外側を向く1人席と向かい合わせの2~4人席で、各席にテーブルを備えます。
地方の観光列車らしく、内装は地元・鳥取、島根両県の伝統工芸品を各所にとりこんでいます。天井照明は因州和紙で覆って柔らかな明かりを演出し、壁には智頭杉や隠岐の黒松を用います。テーブルには石州瓦が埋め込まれています。
列車のデザインなどは出雲市出身で映画監督の錦織良成氏、松江市出身でアニメ映画の美術監督を務める吉田昇氏が協力しています。改装費用は約2億円です。
「あめつち」時刻表と運転日
新観光列車「あめつち」の時刻表と運転日は以下の通りです。
■下り[鳥取→出雲市]
鳥取09:00→倉吉09:45→米子11:06→安来11:16→松江11:45→出雲市12:47
■上り[出雲市→鳥取]
出雲市13:41→玉造温泉14:26→松江14:43→安来15:22→米子15:35→倉吉16:36→鳥取17:36
■運転日
2018年7月~11月の土曜日、日曜日、月曜日。7月27日~8月10日は金曜日も運転。11月12日は運休。
余裕をもったダイヤ
鳥取~出雲市間は、特急「スーパーまつかぜ」で約2時間、快速「とっとりライナー」で約3時間です。そのため、「あめつち」はかなり余裕をもったダイヤであることがわかります。「乗って楽しむ列車」だからでしょう。
途中の「日本海と大山」(名和~大山口)、「宍道湖」(乃木~玉造温泉)、「斐伊川」(直江~出雲市)では時速25~45kmで減速運転し、景色を存分に楽しめるようになっています。
車内では山陰地方の食材を使った弁当やスイーツ、つまみ、飲み物などを販売。軽食を取りながら、景色をのんびりと楽しむ旅ができそうです。
「あめつち」は、快速列車として運行し、全席グリーン車指定席の扱いです。鳥取~出雲市間を乗車した場合は、運賃・指定席グリーン券とあわせ大人4,540円、小児3,240円です。チケットは、通常のJRきっぷと同様、駅の窓口やインターネットで、乗車日の1カ月前から購入できます。