ゆいレールが「第2の創業期」。延伸開業、3両化、過去最高益、Suicaも導入!

トピックス目白押し

「ゆいレール」のてだこ浦西への延伸開業が2019年10月1日に決定しました。3両編成化も2022年度から始まる方向で、決算も好調です。

広告

10月1日延伸開業

沖縄都市モノレール「ゆいレール」は、那覇空港~首里間の12.9kmを結ぶ路線です。首里から先、てだこ浦西まで4.1kmの延伸工事も進められていて、2019年10月1日の開業が正式に決まりました。途中、石嶺、経塚、浦添前田の3駅が設けられます。

新たな終点となるてだこ浦西駅付近には、パーク&ライド駐車場が設けられ、沖縄自動車道と接続します。那覇市内はゆいレールで移動し、てだこ浦西から沖縄道でレンタカーを活用する、というような交通体系が実現します。

てだこ浦西駅
画像:浦添市

2022年から3両化

延伸開業や、最近の外国人観光客の急増を受けて、ゆいレールでは現在の2両編成を3両編成にする検討も進められています。

2019年4月22日に開かれた沖縄都市モノレール中長期輸送力増強計画検討会議において、2両編成では2030年の予測乗客数に対応できないとして、ゆいレールの3両編成化方針を決定。玉城デニー・沖縄県知事らが、政府に財政支援を要請しました。

これに対し、政府は2020年度概算要求の沖縄振興一括交付金のうち、ハード交付金を活用し、補助率を8割に引き上げて「3両化導入加速化事業」として予算計上する方針を固めました。2022年度から段階的に車両を増備し、3両化が実施する方向です。

広告

8割の補助

沖縄一括交付金とは、沖縄の振興に資する、沖縄の特殊性に基因する事業を対象とする国庫支出金で、使途の自由度の高いことが特徴です。2019年度の交付金は1093億円で、ゆいレールの3両化には200億円以上がかかると見込まれています。

政府は車両なども含め、交付金から8割程度を補助する見通しで、ゆいレールの3両化に向けて財政的なメドが立ちました。

過去最高益

開業後、一時は経営難に苦しんできたゆいレールですが、最近になって黒字決算で安定しています。2018年度の決算では、売上高は前年度比6%増の40億8500万円を達成。経常利益は同31%増の6億6100万円と、4期連続の増収増益です。最終利益は5億6100万円で、過去最高益を更新しました。

2020年春をめどに「Suica」の導入も決定。全国10種類の交通系ICカードが利用できるようになります。

まるで「第2の創業期」を迎えるような勢い。バスが主役の沖縄の公共交通体系において、新たな時代を切り開きそうです。

広告
前の記事京王線笹塚~仙川間立体化工事の概要。駅舎デザインも決定
次の記事「水素で走る電車」は実用化できるか。JR東日本が試作車を製作