格安航空会社LCCのバニラエアが、関西~台北(桃園)線を開設すると発表しました。バニラエアの関西空港への乗り入れは初めてです。関西空港で国内線の設定はなく、台北を拠点にして機材を回します。就航日は2016年4月27日です。
深夜に台北・関西を往復
バニラエアの関西~台北線は1日1往復の運航。台北を21時50分に出て関西に1時35分に到着します。折り返して関西を2時35分に出て、4時30分に台北に到着します。24時間運用の関西空港を活かし、成田~台北便の機材を台北から回す運用です。2016年9月14日からは、時刻が変わります。
バニラエア・関西~台北時刻表
■4月27日~9月13日
JW178 台北21:50→関西01:35(+1)
JW179 関西02:35→台北04:30
■9月14日~10月29日
JW178 台北22:35→関西02:20(+1)
JW179 関西03:15→台北05:10
日本人利用者の立場としてみると、JRや南海の終電で関西空港に向かい、早朝台北に到着できます。帰路は関西着が早すぎますが、睡眠不足を我慢すれば到着日に仕事や学校に行くことが可能。その意味では、弾丸旅行向けダイヤになっています。
バニラエア自身も、プレスリリースで「往復バニラエア便利用なら、現地滞在17時間の0泊2日弾丸ツアーが実現します」とPR。でもちょっとしんどそうですね。若い人はどうぞ。
機材はエアバスA320型機で、座席数は1クラス180席。航空券の販売は2016年3月15日14時からで、価格は片道6490円からです。
関西からは国際線のみ運航
バニラエアは成田空港拠点のLCCで、現在、関西空港に乗り入れていません。成田~関西線の就航も計画されているようですが、現時点では国内線の設定は発表されていません。そのため、関西からは国際線のみが運航することになります。
今回のダイヤでは、成田~台北の機材を台北で折り返さず、関西へ飛ばします。バニラエアは台北の拠点化を進めており、すでにコールセンターを開設すみ。機材を夜間駐機するための準備も進めています。関西線は台北を起点に運航する最初の路線になります。
バニラエアとしては、今後、台北からの以遠権を用いて、東南アジアや中国本土への路線展開を狙います。台北から関西空港以外の国内空港に就航する可能性もありそうです。
日本には、4社の格安航空会社LCCがありますが、各社とも国内線では収益の確保に苦戦しています。バニラエアも、国内線の路線拡大は消極的。今回、成田~関西線より先に関西~台北線を開設することは、国際線のインバウンド頼みの収益構造を象徴しているのかもしれません。
とはいえ、海外に格安で行ける手段が増えることは、旅行者としては歓迎です。バニラエアが、台北拠点化で、これからどんな路線展開を見せてくれるのか、注目しましょう。(鎌倉淳)