東急東横線の渋谷~代官山間の地下化完成と、副都心線乗り入れが行われる2013年3月16日のダイヤ改正が発表されました。この地下化により、現在の高架の渋谷駅は廃止されます。そして東横線と、東京メトロ副都心線、東武東上線、西武池袋線の直通乗り入れが開始されます。東横線が横浜から乗り入れている横浜高速鉄道みなとみらい線を含めると、合計5社が乗り入れます。そのため、3月16日のダイヤ改正も、5社を巻き込む大がかりなものとなりました。
ダイヤ改正の内容は、おおむね予想されたもので、サプライズはありませんでした。おおざっぱに書くと、東横線や東上線、西武池袋線の運転本数は大きくは変わりません。もっとも変化があるのは東横線ですが、日中の毎時18本についてはこれまで同様です。菊名発着の日比谷線直通列車が副都心線直通になるため、渋谷口では毎時2本の純増となります。
毎時4本の東横「特急」がそのまま副都心線で「急行」になり、うち毎時2本が西武池袋線に乗り入れ「快速急行」になります。小竹向原から和光市方面に流れる毎時2本の急行運転は和光市までで、東上線内の優等列車にはなりません。
副都心線内の運転本数は新宿三丁目~渋谷間で増加されます。同区間は日中毎時14本となり、2本の純増です。つまり、新宿三丁目発の東横線直通各駅停車が毎時2本設定されます。ちなみに、渋谷始発の東横線は日中毎時4本です。また、東横「急行」は、全て副都心線内は各駅停車になります。
と、こうした良い話ばかりがニュースになりますが、忘れてはいけないのは、副都心線渋谷駅と新宿三丁目駅の混雑です。両駅ともラッシュ時はすでにかなりの混雑。ここに東横線の利用客が加わるとなると、相当な混雑になることが予想されます。しかも、両駅からの始発列車列車が設定されたことで、ホーム上に「始発待ち」の行列も発生するでしょう。ホームドアがあるので転落の危険は少ないですが、ラッシュ時はあふれんばかりの人になるのは間違いありません。
また、両駅の連絡通路と乗換先の混雑も懸念材料です。渋谷駅の半蔵門線・田園都市線との連絡通路は今でも混雑。これに東横線の利用客が加われば、利用者の動線が複雑になり大混雑になるのは間違いありません。これまで東横線から銀座線に乗り換えていた客が半蔵門線利用に変わることが予想されますので、広いとはいえない連絡通路は相当な混乱が予想されます。
新宿三丁目駅の丸ノ内線の連絡通路も懸念材料。こちらは東横線乗り入れに備えて改札外乗換を促すエスカレーターを増設しましたが、既存の連絡通路よりは大回りになるので、連絡通路の混雑が解消することはないでしょう。なにより、丸ノ内線新宿三丁目駅はとても狭いので、こちらの混雑も心配です。新宿西口のオフィス街に通う通勤客は、ここで乗り換えるしかないのです。
そして最も心配なのが、半蔵門線・田園都市線渋谷駅。激増する東横線乗換客を、現在のホームでどう捌くのか。半蔵門線・田園都市線ホームにはホームドアがありませんので、乗客の安全が心配です。