東急電鉄がQRコードとクレジットカードのタッチ決済に対応する改札機を倍増します。鉄道会社全体で対応改札機が増えており、デジタルチケットサービスの利用拡大が進みそうです。
新改札機を導入
東急電鉄では、2025年10月10日から、QRコードとクレジットカードのタッチ決済に対応した改札機を増設します。
増設は、東急線各駅の改札機更新に合わせたものです。今回の更新により、QR/タッチ決済対応改札機を合計389台にまで増やします。
これまで、QR/タッチ決済改札機は、東急線全駅の各改札口に原則1台の合計151台でした。更新後は、対応改札機が2.5倍に増えることになります。
改札機の更新は、武蔵新田駅の多摩川方面改札口から着手します。それ以降、各改札機の更新に合わせて、QRコード/タッチ決済対応改札機を増設していきます。2026年度末(2027年春)までの更新完了を予定しています。
半分がQR/タッチ決済対応に
この改札機の更新は、経年を理由として実施するものです。新たな改札機は、改札機正面の表示器サイズを約2倍に拡大し、視認性を向上させます。
改札機更新完了後の総数は708台になる予定で、うち389台がQRコード/タッチ決済対応改札機となります。
QR/タッチ決済の利用拡大へ
東急電鉄は、QRコードで改札機を通過する乗車サービス「Q SKIP」を2023年8月30日から提供しています。これは、販売サイト上で事前に乗車券をクレジットカードで購入し、手持ちのスマホなどにQRチケットを表示して、改札機を通過するしくみです。
東急線全線が1日乗り放題のデジタルチケットや、沿線の施設・店舗利用チケットと乗車券がセットになったデジタルチケットなどを取り扱っています。
一方、2024年5月15日からは、クレジットカードのタッチ決済に対応する乗車サービスも提供しています。今回の対応改札機増設は、こうしたサービスに十分な需要があることを見極めた上での判断とみられます。
「脇役」の存在感高まる
東急に限らず、鉄道各社でQRチケットやタッチ決済対応改札機が増えています。これまでは、自動改札機といえば、交通系ICカードが主役でしたが、最近は、QRチケットやタッチ決済といった「脇役」も存在感を高めています。
とくに、QRチケットについては、交通系ICカードの総本山といえるJR東日本も導入を進めていて、日本の公共交通機関のチケットとして、スタンダードな仕様になりつつあります。
タッチ決済については、QRコードに比べれば利用は限定的ですが、今後、私鉄各社を中心に定着していきそうです。(鎌倉淳)