「東京アドベンチャーライン」は定着するか。青梅線・青梅~奥多摩間の新愛称

アウトドア・アクティビティを楽しむ路線としてPR

JR青梅線の青梅~奥多摩間に「東京アドベンチャーライン」の愛称が付けられることになりました。鉄道路線に愛称を付けるケースが増えていますが、その定着度はさまざま。「東京アドベンチャーライン」は、定着するのでしょうか。

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自然やアウトドアを楽しめる路線

JR東日本八王子支社は、2018年9月14日、青梅線の青梅~奥多摩間について、「東京アドベンチャーライン」という愛称を使用すると発表しました。

愛称の由来について、同支社では、「駅を降りてすぐに本格的な自然やアウトドアを楽しめる青梅線の魅力を『アドベンチャー』というワクワクする言葉で表現」したと説明。「東京」の二文字を冠することで、「東京都の一部である身近さ、アクセスの良さを強調」したといいます。

新宿から奥多摩までは、直通の「ホリデー快速」なら約90分。JRでは「首都圏でありながら、気軽に自然の中で、アウトドア・アクティビティを楽しむことができ、どなたでも冒険に踏み出せるエリア」と、PRしています。

東京アドベンチャーラインロゴ
画像:JR東日本八王子支社

ロゴも設定

「東京アドベンチャーライン」の新たなロゴも設定。青梅線に縁のあるクリエイターから募集し、沿線住民やJR東日本八王子支社の投票により、青梅市在住の沼倉智弓さんの作品に決定しました。

10月13日からこのロゴのヘッドマークを取り付けたE233系のラッピング電車が、立川~青梅~奥多摩間を走ります。

「東京アドベンチャーライン」の起動にあわせて、御嶽駅と奥多摩駅では、駅舎リニューアルも予定。御嶽駅ではレンタサイクルや待合室が整備され、奥多摩駅では待合室、靴洗い場、更衣室、カフェなどがオープンします。

どちらもアウトドアの拠点駅として知られていますが、今後、その機能を強化していくのでしょう。

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増え続ける鉄道路線愛称

鉄道路線の愛称は、増え続けています。最近の首都圏では、都電荒川線に「東京さくらトラム」、東武伊勢崎線に「東武スカイツリーライン」、東武野田線に「東武アーバンパークライン」、埼玉高速鉄道線に「埼玉スタジアム線」と愛称が付けられたりしています。

こうした愛称の性格付けは一様ではなく、路線系統のわかりやすさを狙った「湘南新宿ライン」「JR京都線」といったものもあれば、ローカル線の活性化を狙った「奥の細道湯けむりライン(陸羽東線)」のようなものもあります。

愛称の定着度はさまざまですが、一般的にいって、わかりやすさを狙った愛称は定着しやすく、活性化狙いの愛称はそのネーミングに依る、といったところでしょうか。

文字数が多いので

青梅線は青梅駅を境に、立川方面と奥多摩方面で系統が分離しています。そのため、青梅~奥多摩間に愛称をつけるのは「系統のわかりやすさ」を狙った側面もあるでしょう。

一方で、青梅線の青梅~奥多摩間の輸送密度は3,979。最近の利用者数は減少傾向で、運転本数も削減されています。

そのため、「東京アドベンチャーライン」はローカル線活性型の愛称の側面も持ち合わせているといえます。

個人的な感想ですが、ネーミングとしては覚えやすく、悪くなさそうです。ただ、何しろ文字数が多いので、正式名称の「青梅線」に取って代わるのは難しそうな気もします。

しばらくは副路線名として、「青梅線」と併用される形で使われていくのではないでしょうか。(鎌倉線)

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