東海道・山陽新幹線の多くの新幹線回数券が、2022年3月までに廃止されます。指定席回数券は全て廃止。自由席回数券は一部が存続します。
インターネット予約が広まって
JR東海とJR西日本は、東海道・山陽新幹線の回数券のうち、新たに51区間の販売を終了すると発表しました。すでに、JR東海は、自社管内の16区間の回数券の廃止を発表していますので、あわせて67区間に達します。山陽新幹線区間の32区間が2021年10月31日に、東海道新幹線にかかわる35区間が2022年3月31日に廃止となります。
指定席回数券は東海道・山陽新幹線の全区間で廃止となります。自由席回数券は山陽新幹線の全区間で廃止されますが、東海道新幹線の一部区間で存続します。回数券廃止の理由は、エクスプレス予約やスマートEXなど、インターネットで新幹線チケットを購入できるサービスが広まってきたためです。
新幹線回数券は6枚セットで、普通車自由席用、普通車指定席用、グリーン車用の3種類があります。旧国鉄時代から、東京や新大阪などの主要駅を中心に、新幹線の利用者の多い区間に広く設定されてきました。
しかし、無料会員でもインターネット予約が可能になったスマートEXの導入以降、JR東海とJR西日本では、新幹線回数券の販売を徐々に縮小。2021年3月31日には68区間の販売を終了しています。それに加えて、2022年までに、新幹線回数券の多くが姿を消すことになります。
廃止67区間
2022年3月末までに廃止されるのは、以下の区間の回数券です。
種別 | 区間 | 発売終了日 | |
---|---|---|---|
グリーン車用 | 東京 | 名古屋 | 2022年 3月31日 |
新大阪 | |||
普通車 指定席用 |
東京 | 名古屋 | |
米原 | |||
京都 | |||
新大阪 | |||
新神戸 | |||
姫路 | |||
岡山 | |||
新倉敷 | |||
福山 | |||
広島 | |||
博多 | |||
新横浜 | 名古屋 | ||
京都 | |||
新大阪 | |||
新神戸 | |||
名古屋 | 京都 | ||
新大阪 | |||
新神戸 | |||
姫路 | |||
岡山 | |||
広島 | |||
博多 | |||
京都 | 広島 | ||
博多 | |||
普通車 自由席用 |
新富士 | 静岡 | |
浜松 | 豊橋 | ||
豊橋 | 名古屋 | ||
名古屋 | 岐阜羽島 | ||
米原 | |||
京都 | 新神戸 | ||
姫路 | |||
岡山 | |||
福山 | |||
普通車 指定席用 |
新大阪 | 広島 | 2021年 10月31日 |
小倉 | |||
博多 | |||
新神戸 | 広島 | ||
小倉 | |||
博多 | |||
岡山 | 小倉 | ||
博多 | |||
広島 | 博多 | ||
普通車 自由席用 |
新大阪 | 姫路 | |
岡山 | |||
福山 | |||
新神戸 | 岡山 | ||
福山 | |||
姫路 | 岡山 | ||
広島 | |||
岡山 | 福山 | ||
広島 | |||
福山 | 広島 | ||
新尾道 | 広島 | ||
三原 | 広島 | ||
東広島 | 広島 | ||
広島 | 徳山 | ||
新山口 | |||
新下関 | |||
小倉 | |||
徳山 | 小倉 | ||
博多 | |||
新山口 | 小倉 | ||
博多 | |||
新下関 | 博多 | ||
小倉 | 博多 |
指定席回数券は全廃
上記のように、東京~新大阪をはじめとした主要区間を含め、東海道・山陽新幹線の指定席回数券は、グリーン車用も含め全廃となります。
自由席回数券については、山陽新幹線区間では全廃となります。東海道新幹線区間では、東京発着などの主要区間で存続します。
新幹線回数券の廃止はJR他社でも相次いでいて、JR東日本では、2021年6月を以て全ての新幹線回数券を廃止しています。
JR九州でも、回数券の一種である「九州新幹線2枚きっぷ」を、2021年3月31日を以て全て廃止しています。
今回の東海道・山陽新幹線の廃止により、日本の新幹線で「指定席回数券」という名称の割引きっぷが全て姿を消すことになります。(鎌倉淳)