東海道新幹線と九州新幹線はどこで乗り継ぐ? 新大阪駅で乗り換える人が多いけれど、新神戸駅も便利

東海道新幹線と九州新幹線は線路はつながっていますが、直通運転はしていません。そのため、東海道新幹線の各駅から九州新幹線の各駅に向かう場合、新大阪~博多のどこかの駅で列車を乗り継ぐ必要があります。

このとき、どこで乗り継ぐのが便利なのでしょうか。あるいは、安く旅行するにはどこで乗り継げばいいのでしょうか。新幹線にあまり乗り慣れていない人向けに、基礎から解説しましょう。

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JRによる指定なし

東海道新幹線と九州新幹線の「乗り継ぎ駅」は、JRで指定はされていません。そのため、任意の途中駅で乗り換えることができます。

では、東海道新幹線と九州新幹線にはどのような乗り継ぎパターンがあるのでしょうか。名古屋→熊本間を移動する場合を例に取り、代表的な乗り継ぎパターンと運賃・料金(通常期)を紹介しましょう。

東海道新幹線→九州新幹線乗り継ぎパターン

【新大阪乗り継ぎ】
名古屋→(のぞみ)→新大阪→(みずほ)→熊本(22,600円)
名古屋→(のぞみ)→新大阪→(さくら)→熊本(22,290円)
名古屋→(ひかり/こだま)→新大阪→(みずほ)→熊本(22,390円)
名古屋→(ひかり/こだま)→新大阪→(さくら)→熊本(22,080円)

【新神戸乗り継ぎ】
名古屋→(のぞみ)→新神戸→(みずほ)→熊本(22,600円)
名古屋→(のぞみ)→新神戸→(さくら)→熊本(22,400円)
名古屋→(ひかり/こだま)→新神戸→(みずほ)→熊本(22,390円)
名古屋→(ひかり/こだま)→新神戸→(さくら)→熊本(22,080円)

【博多乗り継ぎ】
名古屋→(のぞみ)→博多→(さくら/つばめ)→熊本(22,600円)

自由席はどう乗り継いでも値段は変わらず、21,040円です。東海道・山陽新幹線の特急料金は通算されますので、途中で降りなければどこで乗り継いでも特急料金のベースは変わりません。ただし、「のぞみ」「みずほ」指定席利用時には追加料金が発生しますので、その乗車区間により指定席価格は変わります。

なお、ここでは名古屋発の熊本着を例に取っていますが、東京、静岡や鹿児島中央など、東海道新幹線の各駅と九州新幹線の各駅を利用する場合、どこでも基本的な考え方は同じです。また、ここでは下り(熊本方面行き)で説明しますが、上り(名古屋方面行き)では少し事情が変わりますので、最後に記します。

山陽新幹線

東海道・九州新幹線乗り継ぎのポイント

まず、基本的なポイントとして押さえておきたいのは、以下の点です。

・指定席を利用する場合、「のぞみ」「みずほ」は「ひかり」「さくら」に比べて、特急料金が東海道・山陽区間で少し高い。九州新幹線内は同額。
・自由席を利用する場合、どの列車を利用しても特急料金は同じ。
・「みずほ」「さくら」は指定席が2列×2列でゆったりしている。「のぞみ」「ひかり」指定席は3列×2列。
・新大阪駅、博多駅ではホームが複数あり、同一または対面ホームで乗り継げることは少ない。
・新神戸駅は上下1つずつしかホームがないので、必ず同一ホームで乗り継げる。

こうした要素が絡み合うので、「どこで乗り継ぐのがよいか」が議論になるのです。そのうえ、東海道・九州のどの駅から乗るかで、利用できる列車種別が異なるので、話がややこしくなります。

たとえば、名古屋なら「のぞみ」も「ひかり」も「こだま」も利用できますが、豊橋なら「ひかり」と「こだま」だけしか使えませんし、三河安城なら「こだま」しか使えません。そこまで踏み込んで検討するとややこしくなるので、とりあえず以下では、「こだま」あるいは「つばめ」しか利用できない駅から(まで)の利用は考慮しません。

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新大阪駅乗り継ぎのメリット、デメリット

さて、新大阪駅乗り継ぎのメリットは、山陽・九州新幹線(「みずほ」「さくら」)を始発から乗車できること。とくに自由席の場合、始発から乗るのは座席確保のために大事です。また、新大阪駅は改札口内のエキナカが比較的充実していますので、乗り換えの時間にちょっとした買い物ができます。こうしたことから、東海道新幹線と九州新幹線を乗り継ぐ場合、新大阪駅で乗り換える人が多いようです。

新大阪駅乗り継ぎのデメリットは、東海道新幹線の到着ホームと、山陽・九州新幹線の出発ホームが異なること。多くの山陽・九州新幹線列車は20番ホームから出発しますが、東海道新幹線は21、22番ホームに到着する場合が多いです。そのため、たいていは階段・エスカレーターを使ったホームの上り下りが発生します。

乗り換え時間は5分あれば足りますが、慣れていない方は10分程度を見ておいたほうがいいでしょう。新大阪止まりの「のぞみ」と新大阪始発の「さくら」は6~7分の接続時間が取られていることが多いですが、慣れていない人には少し短いかもしれません。

新神戸駅乗り継ぎのメリット、デメリット

新神戸駅乗り継ぎのメリットは、全ての列車で同一ホームでの乗り継ぎができることです。新神戸駅は上下線ともホームは1つしかないからです。そのため、降りたホームで乗り継ぐ列車を待てばいいので、階段・エスカレーターの上り下りはありませんし、乗り換え時間が何分かを気にする必要もありません。

新神戸駅乗り継ぎのデメリットは、始発駅ではないため、山陽・九州新幹線「みずほ」「さくら」で自由席を利用する場合、座れるかどうか不安なことです。

また、名古屋→新神戸間で「のぞみ」指定席を利用する場合、新大阪乗り継ぎよりも110円高くなることもデメリットです。「のぞみ」の指定席料金は新大阪駅を超えると一律で110円上がるからです。自由席の場合は料金差はありません。

新神戸駅は改札内エキナカが充実していません。駅にいてもすることはありませんので、乗り継ぐ場合は、ホームから降りる時間がないほど接続時間を短くしておくといいでしょう。とはいえ、ダイヤ上、新神戸駅で乗り換える場合、10分以上の乗り継ぎ時間になってしまうことも多いです。そのため、総所要時間がやや長くなることもあります。

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博多駅乗り継ぎのメリット、デメリット

博多駅乗り継ぎのメリットは、停車駅の少ない「のぞみ」を山陽新幹線全線で利用できるので、乗車時間が短くて済むこと。博多駅で接続のいい乗り継ぎを選べば、名古屋→熊本間の総所要時間が短くなります。

博多駅乗り継ぎのデメリットは、そうはいっても博多駅で接続のいい乗り継ぎはそれほど多くありませんし、乗り換え時に階段・エスカレーターの上り下りが発生することが多いので、便利とはいえない、という点です。

また、指定席を利用した場合、割高な「のぞみ」料金を名古屋~博多間で払わなければならないうえ、博多まで3列×2列シートに乗ることになるのもデメリットといえます。同じ指定席料金を払うなら、新大阪や新神戸から「みずほ」に乗ったほうが、2列×2列シートで快適です。「さくら」なら、快適な上に指定席料金は少し安いです。

東海道新幹線の「ひかり」「こだま」には、博多までの直通列車はありません。そのため、東海道新幹線で「ひかり」「こだま」しか停まらない駅から乗車する場合は、新大阪か新神戸のいずれかで乗り換えが一度必要になります。さらに博多駅で乗り継ぐとなると、乗り換えが2回になりますので、その点で博多駅乗り継ぎは、そもそも選択肢に入らないでしょう。

慣れていないなら新神戸、自由席なら新大阪

まとめると、新幹線に乗り慣れていない人は、指定席を全線で利用して、新神戸駅で乗り継ぐと、間違いがありません。でも、指定席利用は自由席利用より片道1,000円以上高くなります。

自由席で安く行きたい、という人は、「ひかり」で新大阪まで行き、新大阪始発の「みずほ」「さくら」を狙うといいでしょう。座席を間違いなく確保するためには、新大阪駅で20~30分程度の待ち時間を取り、自由席の列に並びましょう。自由席利用の場合は、急ぐより時間に余裕を持つことが大切です。

あるいは、東海道新幹線で「のぞみ」の自由席に乗ってみて、座れたなら、そのまま博多まで行ってしまい、博多駅で「さくら」に乗り継ぐのもいいでしょう。自由席の場合は、「みずほ」「さくら」も3列×2列シートなので、「のぞみ」に乗っても快適さは変わりません。

上りの場合

上りの場合、少しパターンは変わります。しかし、新幹線に乗り慣れていない人は、やはり指定席を取り、新神戸駅で乗り継ぐのが迷わなくていいでしょう。

自由席で安く行きたい場合は、九州新幹線の各駅から「みずほ」「さくら」に乗り、座れれば新大阪駅まで乗り通し、新大阪始発の「のぞみ」「ひかり」「こだま」に乗り継ぐのがいいでしょう。九州新幹線内で座れなかったら、博多駅で「のぞみ」に乗り継いで、始発列車の自由席を狙うのがおすすめです。

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