「サンキュー♥ちばフリーパス」の2020年版が発売開始となりました。小湊鐵道がフリーエリアに復帰し、東京湾フェリーも引き続き利用可能です。
利用期間は9月~11月
「サンキュー♥ちばフリーパス」は、千葉県内の主要交通機関が乗り放題になるフリーきっぷです。2020年の発売期間は9月1日~11月29日、利用期間は9月1日~11月30日です。
2019年は消費税増税日を期間に挟むのを避けるため、利用期間が10月1日~12月26日に設定されていましたが、2020年は従前の9月~11月に戻りました。有効期間は利用開始日から連続する2日間です。
フリーエリア
2020年版の「サンキュー♥ちばフリーパス」の最大の変更点は、フリーエリアの乗り放題に小湊鐵道が復帰したこと。小湊鐵道は2019年に離脱していたので、1年ぶりの復帰となります。これにより、利用できる鉄道路線は、千葉県内のJR線と、小湊鐵道、いすみ鉄道、銚子電鉄、流鉄の私鉄4社となりました。
バス路線のフリーエリアにも小湊鐵道が復帰。利用できるバスは、小湊鐵道、九十九里鉄道、ジェイアールバス関東、館山日東バス、鴨川日東バス、千葉交通、京成タクシー成田の7社の指定路線です。期間限定周遊バスの「房総さとやまGO」も利用できます。
2019年版で加わった東京湾フェリー(金谷~久里浜)も、引き続きフリーエリア対象となりました。フェリーが乗り放題となるフリーきっぷは珍しいです。
フリーエリア内では、JR線の普通列車(快速含む)の普通車自由席、各鉄道・バス会社線の指定路線、東京湾フェリーが乗り降り自由となります。フリーエリア内で特急列車等を利用する場合、特急券や「えきねっとトクだ値(料金券のみ)」、房総料金回数券といった料金券タイプの特別企画乗車券との併用が可能です。
価格は据え置き
価格は大人3,970円、小人1,980円で、据え置きです。JR東日本の千葉県内の主な駅の指定席券売機で購入できます。駅窓口での発売はありません。2019年版では購入可能だった横須賀線久里浜駅は、2020年版では発売箇所から外れています。
「サンキュー♥ちばフリーパス」の概要は以下の通りです。
「サンキュー♥ちばフリーパス」2020年版
・価格 おとな3,970円、こども1,980円
・発売期間:2020年9月1日~2020年11月29日
・利用期間:2020年9月1日~2020年11月30日
・有効期間:連続する2日間
・発売箇所:JR東日本の千葉県内の主な駅の指定席券売機
利用日当日の購入も可能です。利用人数の制限はなく、一人から購入できます。
なお、2019年までは東京都区内各駅からフリーエリアへの乗車券がセットになった「サンキュー♥ちばフリー乗車券」も発売されていましたが、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、発売が見合わせとなっています。
房総半島横断が可能に
小湊鐵道が復帰したことで、いすみ鉄道とあわせた鉄道による房総半島横断が「サンキューちば♥フリーパス」で再び可能になりました。
小湊鐵道の五井~上総中野間の運賃は1,440円で、いすみ鉄道の上総中野~大原間の運賃は730円。あわせて、フリーパス価格の半額に相当する金額です。房総半島を鉄道で横断するのに、フリーパスの利用価値は高いです。
銚子電鉄の片道運賃が350円、流鉄が200円ですので、これらの私鉄を往復し、房総半島を横断すれば、それだけで3,270円。きっぷの8割の値段に相当します。私鉄を乗り歩くだけでほとんど元が取れてしまうわけです。
マイクロツーリズム向け
さらに、東京湾フェリー(片道運賃800円)もフリーエリアに維持されたことで、房総半島からフェリーで三浦半島に渡り、京浜急行やJR横須賀線で東京に向かうルートにも使えます。そう考えると、非常にお得感の高いきっぷといえます。
ただ、JR久里浜駅での発売が見合わせとなったため、三浦半島側での「サンキューちば♥フリーパス」を購入することができなくなりました。東京・横浜方面からフェリーを使って房総半島に上陸する経路が、事実上封じられた形です。
都区内発着版と久里浜駅発売が見合わせとなったのは、新型コロナウイルスの感染拡大が続く状況を鑑みての判断です。結果として、2020年の「サンキューちば♥フリーパス」は、主に千葉県内発着のマイクロツーリズム向けのきっぷとなりました。