静岡県の天竜浜名湖鉄道が資本金を1億円に減資することを発表しました。資本の減少額の多くを繰越利益剰余金に振り替え、累積損失を解消します。また、税制上の中小法人になることで、法人税の負担軽減も狙います。
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6億円から1億円に
天竜浜名湖鉄道の資本金は、現在6億3000万円。これを1億円に減額します。日本経済新聞静岡版2016年6月15日付によりますと、減少額5億3000万円のうち、約4億5000万円を繰越利益剰余金に振り替え、累積損失を解消するとのこと。残りの約8000万円は資本準備金に振り替えます。
資本金を1億円以下にすると、税制上の位置づけが「大法人」から「中小法人」となり、法人税などの税負担が軽減されます。また、少額減価償却資産の損金算入などを行うこともできます。天竜浜名湖鉄道では、中小法人化により、年間約300万円の税負担軽減を見込んでいます。
写真:天竜浜名湖鉄道ホームページ
輸送人員は3%増
減資については、株主総会の特別決議で3分の2以上の賛成が必要です。天竜浜名湖鉄道の主要株主は静岡県、浜松市、掛川市などで、減資実行のハードルはなさそうです。
天竜浜名湖鉄道が発表した2016年3月期決算は、売上高は前期比5%増の4億6000万円、純利益が同31%増の790万円でした。アジアからの観光客増で、輸送人員が3%増と堅調で黒字を確保しています。
中小法人化により、今後も永続的な運営を願いたいところです。(鎌倉淳)
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