JR四国は、グループ会社の「株式会社高松駅弁」を解散することを決めました。高松駅弁は、弁当の製造販売やうどん店運営などを手掛ける会社です。解散は2014年9月末になるようです。
高松駅弁の設立は1943年。駅弁の開発・製造や列車での車内販売を手掛け、人気アニメのキャラクターをデザインした「アンパンマン弁当」や「お遍路さん弁当」などの名物駅弁も製造販売しています。
コンビニ、エキチカで駅弁客は減少
駅弁販売の店舗も運営しており、かつては宇高連絡線内にも直営店がありました。現在も、高松駅構内などで弁当販売店やうどん店など4店舗を運営しています。
しかし、1988年の瀬戸大橋の開通によって鉄道輸送の流れが変わり、本州から高松を経由せずに四国各地に向かう利用客が増え、高松駅での弁当の売上が減少。近年はコンビニエンスストアやスーパーマーケットのエキチカ進出で駅弁を買う客が減り、同社の経営は苦しくなっていたようです。
画像:高松駅弁ホームページ
2013年3月期の売上高は5億6800万円、営業損益は5600万円の赤字。債務超過額(2013年3月末)は6800万円で、2014年3月期も営業赤字を計上したようです。
現在、同社は、高松駅構内に「連絡船うどん」「うどん処艶艶」のうどん店2店と、「高松駅弁」という弁当店1店を経営しています。また、高松市内のショッピングモールに「ゆめステーション」という土産物店を運営しています。これらの4店舗は、2014年5月11日でいったん閉店するようです。このうち、うどん店2店は改装して営業を再開する方針です。今後もうどん店と駅弁の車内販売はJR四国のグループ内で引き続き運営されることが決まっているようですが、他の2店は閉店になる可能性もあります。
駅弁の製造は2014年6月20日に終了します。以降は外部の事業者に製造を委託し、百貨店や列車内で引き続き販売することを目指します。高松駅などでの駅弁の供給については、外部委託で継続されることは間違いなさそうなので、旅行者にとっての影響は小さくすみそうです。「アンパンマン弁当」がどうなるかも未定ですが、これも継続してほしいですね。