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「ローカル路線バスの旅9時間SP」後半正解ルートを検証する〔3〕最適解を考えてみた

ゴールできなかったらマジカットしてほしい

テレビ東京系列の「旅の日」第4回で、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅9時間SP~」が放送されました。おもに5日目から8日目の後半戦について、正解ルートを速報で検証してみましょう。ここからは、敦賀以北の乗り継ぎについて検討してみましょう。

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「ローカル路線バス乗り継ぎの旅9時間SP」後半戦の正解ルートを検証する〔1〕

テレ東系旅の日4回目
Ⓒテレビ東京

テレ東系 旅の日~ローカル路線バス乗り継ぎの旅9時間SP~
【放送日時】
2025年12月27日(土)17時45分~22時10分
2025年12月28日(日)17時45分~22時10分
※2夜連続放送
【放送局】
テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送
【配信】
「ネットもテレ東」にて、リアルタイム配信・見逃し配信あり。
【出演者】
第1区:太川陽介、大友花恋、クロちゃん、稲田直樹
第2区:春日俊彰、佐々木久美、ゆめっち、山添寛
第3区:太川陽介、トラウデン直美、すがちゃん最高No.1、宮澤佐江、エース
第4区:髙木菜那、村井美樹、加納

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武生から敦賀の乗り継ぎ

実際ルートに戻ります。髙木チームは、8日目、敦賀駅から始発バスで元比田に至り、国道8号線に沿って桜橋に達し、武生行きのバスを捕まえました。

元比田から桜橋までは8km以上あり、それを1時間40分ほどで乗り継いだので、健脚チームの面目躍如というところでしょう。この乗り継ぎに失敗していたらゴールは不可能なので、元比田で先を急いだ髙木の判断が奏功した形です。

総じて敦賀から武生までは好調でしたが、武生で福井に向かうバスが見つかりませんでした。結局、国道8号線沿いに北上し、大半を歩いて福井市内に達しました。

武生から福井へのアクセスとして、先に池田ルートを紹介しました。しかし、この時間になると、池田ルートは使えません。他に福井まで歩かずに乗り継ぐルートはなさそうですが、徒歩距離を短くするルートとして、以下のような道筋もあります。

▽8日目
桜橋09:25→09:55たけふ新駅10:10→10:28八田11:03→11:20西田中バスターミナル→徒歩7.8km→清水プラント3 14:45→15:24福井駅16:10→16:55丸岡バスターミナル16:56→17:22芦原温泉駅18:10→18:53東尋坊

武生から織田行きのバスに乗り、西田中のバスターミナルに至り、歩いて福井市内に入ります。徒歩距離は7.8kmと短くはありませんが、実際ルートは13kmも歩いていますので、それよりは短いです。

ただ、福井駅到着は実際ルートのほうが早いですし、体力消耗を考慮しないなら、実際ルートのほうが「正解」に近いといえそうです。


 

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最終局面の選択

福井駅からの最終局面についても触れておきましょう。

福井駅の案内所で、東尋坊への乗り継ぎとして、丸岡経由と三国経由の選択肢を提示されました。一行は丸岡経由を選択しましたが、三国経由を選んでいたらどうなっていたでしょうか。

【三国ルート】
▽8日目
福井駅15:13→15:39福井総合病院15:50→16:16三国駅17:12→17:24東尋坊

このように、東尋坊に17時24分にゴールできます。

実際ルートより1時間早いので、三国ルートのほうが優れていたといえます。ただ、三国ルートは、福井総合病院着が遅延すると乗り継げず、次発は18時までなく、それに乗るとゴールできません。

つまり、遅延リスクの大きい路線です。したがって、便数の多い丸岡ルートのほうが堅実ですし、結果としてゴールできたので、丸岡ルートを「正解」と判断していいでしょう。


 

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まとめてみると

今回のお題について全体をまとめてみると、1日目から4日目は、乗り継ぎの選択肢が少なく、2日目は倉敷市か岡山市まで、3日目は赤穂市まで、4日目は神戸市までが、おおむね「既定」となっていました。

5日目からは想定の幅が広がりますが、オーソドックスに進めば、5日目は京都市までとなっていました。6日目は湖西ルートなら比良付近、湖南ルートなら近江八幡、能登川または彦根が想定されていたでしょう。

7日目は、湖西ルートの場合、うまくいけば敦賀市まで行けますが、うまくいかなければマキノあたりにとどまって、ゴールができなかった可能性がありそうです。

一方、湖南ルートは、7日目の朝方に急いで歩けば敦賀市まで届く設定になっていて、湖西ルートよりはゴールしやすかったようです。

5日目に福知山か園部に泊まって、小浜を経由して敦賀を目指すルートもありました。その場合は、6日目が若狭町で、7日目に武生か、かれい崎にまで達していて、ゴールの可能性は高かったといえます。

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最適解は?

総じて言えば、琵琶湖を通らないルートが優れていたように感じられます。最適解の候補を一つあげるとすれば、美山ルートになるのでしょうか。

序盤は堅実に進み、園部で京都市へ向かわずに北上し、敦賀以北は、かれい崎、池田町を経由すると、歩く距離を減らせます。以下のようなルートです。

▽1日目(第1区)
松山市駅11:23→13:35新居浜駅13:55→15:02川之江営業所→徒歩1.5km→川之江駅

▽2日目(第1区)
川之江駅→徒歩5.7km→箕浦07:04→07:42豊浜駅08:17→09:18琴平駅前09:40→10:31高松空港11:05→11:55坂出駅前15:30→16:40JR児島駅前17:13→17:38王子ケ岳登山口17:45→18:08宇野駅前18:34→19:42岡山駅

▽3日目(第2区)
岡山駅西口12:45→13:56片上/片鉄片上14:20→14:52福浦峠→徒歩9.0km→18:00播州赤穂駅

▽4日目(第2区)
播州赤穂駅07:13→徒歩9.4km→09:19白龍城09:24→09:40相生駅10:10→10:35芝生広場・播磨科学学園都市10:55→11:20播磨新宮駅11:30→11:52堂本12:24→13:12姫路駅15:00→16:22社営業所18:12→19:50三ノ宮駅

▽5日目(第5区)
神戸三宮バスターミナル07:30→08:29三田駅08:43→08:55北摂中央口09:05→09:10新三田駅09:27→09:40テクノパーク→徒歩6.9km→藍本駅13:49→14:07篠山口駅14:35→14:51二階町15:44→16:17福住16:31→17:08JR園部駅西口

▽6日目(第6区)
JR園部駅西口08:07→08:49宮脇08:49→08:55和泉11:43→11:54鶴ヶ丘11:54→11:56田土→徒歩10.9km→15:00ホテル流星館16:35→17:23小浜駅17:25→18:03須ノ浦→徒歩3.4km→世久見(若狭町)

▽7日目(第7区)
世久見→徒歩1.8km→世久津07:38→08:04レイクヒルズ08:20→08:27美浜駅前10:40→11:23敦賀駅12:10→12:38元比田→徒歩8.5km→14:40桜橋15:10→15:25糠長島→徒歩4.6km→かれい崎

▽8日目(第8区)
かれい崎06:40→07:56たけふ新駅08:45→09:37野尻11:40→12:24福井駅12:40→13:30丸岡城13:54→14:14芦原温泉駅14:40→15:17東尋坊

1日目は無理せず川之江に泊まり、2日目は宇野ルートで岡山駅に達します。3日目は日曜日なので、播州赤穂駅まで達すれば十分でしょう。4日目は神戸三宮で打ち止めとします。

5日目は園部にとどまって、6日目は美山ルートで若狭に抜けます。7日目は桜橋から糠長島に転じてかれい崎に泊まり、8日目は池田町を経由して、バスのみを乗り継いでゴールします。

徒歩距離は合計61.7kmで、1日あたりなら8km程度です。短いとはいえませんが、最近の路線バスの状況をみれば、この程度はやむをえないでしょう。実際ルートは、手元の計算で104.2kmなので、それよりはだいぶ短いです。

もちろん、これは筆者が調べた限りの最適解の候補にすぎず、机上論の話です。参加メンバーが現実に選択しえたかといえば、難しかったでしょう。

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飛び道具ルート

今回のローカル路線バス乗り継ぎの旅で特筆すべきは、「路線バスと表記していれば、高速道路を経由しても利用可」という新ルールでしょう。

ここまでの記事で、新ルールに適用できるバスを2種類紹介しました。「直Q京都」と「立命館ルート」です。

実は、この二つを組み合わせると、最速でゴールできる可能性があります。「飛び道具ルート」です。5日目からご紹介しましょう。

【飛び道具ルート】
▽5日目
三宮駅前07:31→08:25阪神西宮08:46→09:17阪神尼崎09:48→10:15阪急園田駅11:00→12:00JR吹田駅12:31→13:01新小川13:29→13:55JR茨木14:08→14:55枚方市駅北口15:08→15:36長尾駅16:19→16:24枚方カントリー口→徒歩1km→松井山手駅16:45→17:13京都駅八条口18:00→18:36中書島→京阪中書島19:25→19:57立命館大学〔びわこ・くさつキャンパス〕20:40→21:00草津駅東口

▽6日目
草津駅西口07:00→07:52守山駅西口→徒歩3.5km→野洲駅08:55→09:05道の駅竜王かがみの里09:18→09:45近江八幡駅11:00→11:40芦刈東→徒歩4.0km→能登川駅→徒歩10.8km→宇尾15:26→15:46彦根駅前→徒歩6.3km→米原駅東口17:40→17:47坂田駅→徒歩3.3km→田村18:47→19:03長浜駅19:05→19:41木之本バスターミナル

▽7日目
木之本バスターミナル07:02→07:35新道野08:21→08:33敦賀駅09:45→10:13元比田→徒歩8.5km→桜橋13:45→14:15たけふ新駅15:40→16:15織田16:33→17:13神明駅→徒歩7.4km→ベル前19:27→19:41福井駅

▽8日目
福井駅10:13→10:39福井総合病院10:50→11:16三国駅12:12→12:24東尋坊

5日目に、「直Q京都」で京都駅に到達した後、中書島に向かい、立命館大学への最終便を捕まえるというルートです。立命館大学から草津行きの最終バスに乗れば、5日目に草津駅まで到達できます。

その場合、6日目に太川チームが24kmを歩けば、木之本バスターミナルまで到達します。すると、7日目に福井駅に達し、8日目の午後早い時間にゴールできます。

実現可能性はともかくとして、新ルールを適用したルートとして注目に値するでしょう。今後、このルールが定着するのであれば、「飛び道具」となる急行バスをいかに活用するかが、成否を決めるようになるかもしれません。

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成否を分けたポイント

「旅の日」は4チームのリレーで、ゲストの入れ替わりもあるので、通常の「ローカル路線バスの旅」とは異なる制約があります。とくに、実務上は、1日の終わりを空港や新幹線駅付近にせざるをえません。

そうした事情もあり、今回、制作側は京都経由の湖南ルートを基本線として想定していたと考えられます。その点でいえば、全体として「想定通り」の乗り継ぎだったと想像します。

そのなかで、成否を分けたポイントの一つは、前述したように6日目、能登川まで達するかどうかでした。

それに加えて、8日目、敦賀から武生までの区間が最後のハードルでした。元比田から桜橋の8.5kmを2時間弱で歩ききればゴール、歩ききれなければ失敗となっていました。

1日目から4日目までの前半は予定調和のウォームアップで、後半こそが本戦だった、ということでしょうか。(鎌倉淳)

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