「スーパー早特きっぷ」の研究。山陽・九州新幹線の格安チケットの使いこなし方

初心者にもわかりやすい

「スーパー早特きっぷ」は、山陽・九州新幹線のインターネット専用の割引きっぷです。関西と九州を新幹線で移動する際の代表的な格安チケットを、初心者にもわかりやすく解説します。

広告

スーパー早特きっぷとは

スーパー早特きっぷは、JR西日本のインターネット予約サイト「e5489」と、「JR九州インターネット列車予約」で販売されている早期購入割引の格安チケットです。どちらのサイトも会員制ですが、無料で会員登録できます。

スーパー早特きっぷは山陽・九州新幹線の特定の区間・種別の列車が対象で、乗車日の14日前までに予約することでチケットを安く購入できます。片道の「乗車券+指定席特急券」がセットになっています。

山陽新幹線の新幹線回数券が2021年10月に廃止されたこともあり、スーパー早特きっぷは絶対に知っておきたい格安チケットです。

山陽新幹線

設定区間と利用条件

スーパー早特きっぷの設定区間は、大阪・新神戸・岡山・広島~小倉・博多・大分・熊本・長崎・佐世保です。関西・山陽と九州の主要都市間で利用できます。

購入できるのは利用開始日の1ヶ月前午前10時から乗車日14日前の23時30分までです。販売席数は限定です。子供料金は半額、学割はありません。

列車予約は14日前までに済ませる必要があります。予約後の列車の変更はできません。

広告

スーパー早特きっぷの価格と割引率

スーパー早特きっぷの価格(おとな)と割引率は以下の通りです。

最大の割引率となる新大阪~鹿児島中央間で35%引き。その他の区間もおおむね30%前後の大幅割引となっています。一方、飛行機との競合が小さい山陽~九州間は比較的割引率が小さくなっています。

スーパー早特きっぷの価格
区間 定価 スーパー
早特きっぷ
割引率
新大阪~小倉・博多 15,600 10,480 33%
新神戸~小倉・博多 15,070 10,470 30%
新大阪・新神戸~熊本 19,200 13,100 32%
新大阪・新神戸~鹿児島中央 22,630 14,670 35%
新大阪・新神戸~長崎 18,970 13,100 31%
新大阪・新神戸~佐世保 18,450 12,730 31%
新大阪・新神戸~大分 18,150 12,530 31%
岡山~熊本 17,320 12,730 27%
岡山~鹿児島中央 21,080 14,260 32%
広島~熊本 13,790 11,200 19%
広島~鹿児島中央 18,210 13,240 27%

※「新大阪・新神戸」発着の定価、割引率は「新大阪」発着を表記。「小倉・博多」発着の定価、割引率は「博多」発着を表記。

広告

スーパー早特きっぷの使い方

スーパー早特きっぷは、出発日の1ヶ月前〜14日前の23時30分までに、インターネットのe5489かJR九州インターネット列車予約で購入します。

スーパー早特きっぷの使い方は、「ネットで予約し、駅で紙のきっぷを受け取る」のが基本です。JR西日本とJR九州の主要駅の窓口または券売機できっぷを受け取れます。きっぷは当日でも受け取れます。ただし、窓口や券売機は混雑することもありますので、当日受け取りの場合は、少し早めに駅に到着しておくことをおすすめします。

スーパー早特きっぷで乗車できるのは、予約した列車だけです。熊本・鹿児島中央発着は、山陽・九州新幹線を直通運転する列車または、博多駅で乗り継ぎとなる列車に限り予約できます。

長崎・佐世保発着は、博多駅または新鳥栖駅で、在来線特急と新幹線を乗り継ぎます。大分発着は、小倉駅で乗り継ぎます。

スーパー早特きっぷは、市内駅制度を利用できます。「新大阪」発着のきっぷは大阪市内の各駅まで/から利用できます。神戸市内、広島市内、北九州市内、福岡市内も同様です。

途中下車した場合は前途無効です。指定列車のみ有効なので、たとえば新大阪から指定列車の「みずほ」に乗り、広島駅で降りて後続の「こだま」自由席に乗り換えて新下関駅で降りるといったこともできません。

広告

スーパー早特きっぷの変更

スーパー早特きっぷは、予約後、一切の変更ができません。EX早特などと異なり、きっぷの受取前であっても変更は不可です。変更したい場合は、払い戻し→買い直しとなります。

スーパー早特きっぷの払い戻し

スーパー早特きっぷは、指定列車出発前で、きっぷの受取前であれば、座席1席につき560円の払戻手数料(キャンセル料)で払い戻せます。きっぷ受取前の払い戻しは購入したインターネット予約サイト上(e5489またはJR九州インターネット列車予約)で手続きします。

きっぷの受取後の払い戻しは手数料が変わることあります。出発日の2日前までは560円で変わりませんが、前日を過ぎると乗車券分220円+特急料金相当額(特定額)×30%となります。

新大阪~博多間を例に取ると、合計の払戻手数料が1,450円で、総額に対して13.8%のキャンセル料が生じることになります。

広告

スーパー早特きっぷでの乗り遅れ

スーパー早特きっぷは予約した列車のみ有効です。予約した列車に乗り遅れた場合は無効となります。後続列車の自由席には乗車できません。後続列車に乗る場合は、新規にきっぷを買い直さなくてはなりません。

そのため、きっぷの受取前で乗り遅れが予想される場合は、出発時刻までにネットでキャンセル(払い戻し)の手続きをすることをおすすめします。上述したように、出発時刻前までなら、560円のキャンセル料で済みます。

きっぷを受け取ってしまって乗り遅れた場合でも、乗り遅れた場合に即座に無効になるのは特急料金相当分のみです。運賃部分は当日中ならば有効なので、後続列車に乗る場合に買い直さなければならないのは、特急券のみです。

このときは、受け取ったきっぷをJR駅窓口に提示して、券面に「指定列車以外乗車のため乗車券有効」という証明を受けます。そして乗車区間に必要な特急券を購入し、有人改札を通って乗車します。

広告

スーパー早特きっぷの使いこなし方

スーパー早特きっぷは、14日前までの予約で30%前後の割引が受けられるという破格のチケットです。予約変更が一切不可という制約はありますが、キャンセル料は低額です。LCCのように「キャンセルしたら返金なし」といった無体なルールではありませんので、良心的な格安チケットといえます。

座席数に制限があり、設定区間も限られていますが、2週間以上前から予定が決まっているときは、ぜひ検討したいチケットです。

新大阪・新神戸~大分・熊本・長崎間には、「スーパー早特21」というさらに価格の安い商品があり、約40%割引と破格です。予定が前から決まっているのなら、こちらを予約するのもいいでしょう。(鎌倉淳)

広告