相鉄、JR直通線をテコ入れ。3月ダイヤ改正で日中は「各停」に

利用が伸び悩み

相模鉄道が2021年3月13日ダイヤ改正の概要を発表しました。日中時間帯の相鉄・JR直通線の列車を相鉄線内で各駅停車にするなど、利用しやすいようにテコ入れします。

広告

日中は各停に

相模鉄道2021年3月13日ダイヤ改正の大きなトピックスは、相鉄・JR直通線の列車が、平日・土休日とも日中時間帯に相鉄線内で各駅停車となることでしょう。これまでは毎時2本のうち1本が特急、1本が各停でしたが、特急が各停に格下げとなります。

新ダイヤでは、日中時間帯の直通列車の相鉄線内の特急運転がなくなりますが、本線特急との接続を考慮します。

上りでは、海老名発のJR直通列車が西谷まで各駅に停車。西谷で後続特急の接続を受けた上で、JR線方面へ出発します。下りでは、新宿方面からの列車が西谷で特急海老名行きに接続。JR直通列車は後発の各停として海老名に至ります。いずれも、二俣川でいずみ野線に接続します。

つまり、西谷での特急接続により、大和や海老名からの速達性を確保するわけです。

相鉄202103ダイヤ改正
画像:相鉄プレスリリース

相鉄

平日朝ラッシュ時

平日朝ラッシュ時のJR直通列車については、新宿行きの2本と、赤羽行きの1本が池袋行きに変更となります。

JR直通列車はこれまで通り特急で運行しますが、二俣川で接続するいずみ野線の列車を変更。現行ダイヤでは通勤特急と接続していましたが、新ダイヤでは通勤急行と接続し、いずみ野線各駅からJR直通列車を利用しやすくします。

相鉄202103ダイヤ改正
画像:相鉄プレスリリース
広告

平日夕ラッシュ時

平日夕ラッシュ時のJR直通列車も、これまで通り特急海老名行きとして運行。西谷で横浜からの快速海老名行きと接続します。また、瀬谷で先行の各停を追い越し、大和での乗り換えを可能とします。

相鉄202103ダイヤ改正
画像:相鉄プレスリリース

二俣川でのいずみ野線への接続はありません。いずみ野線各駅へは、西谷または二俣川で後続の各停湘南台行きを利用することになります。

土休日夕ラッシュ時

土休日の夕方は、これまでJR直通列車は相鉄線内各停でしたが、新ダイヤでは特急となります。西谷で快速海老名行きと接続し、二俣川で各停湘南台行きに接続します。

相鉄202103ダイヤ改正
画像:相鉄プレスリリース
広告

利用が伸び悩み

相鉄・JR直通線の利用状況は、相鉄ホールディングスの2020年3月期決算説明資料によると1日あたり2万5000人で、開業前に想定した5万6000人の半分以下にとどまっています。社運を賭けた都心直通プロジェクトが大不振という状況で、新型コロナの影響を考慮しても看過できないでしょう。

新ダイヤは、こうした相鉄の苦境を反映しているといえ、相鉄線各駅からJR直通列車を利用しやすくするように修正したとみられます。

ただ、相鉄・JR直通線は、ラッシュ時で毎時4本程度、日中時間帯で2本程度と、都心に乗り入れる路線としては本数が少ないことが、利用しにくさの根本にあります。運賃が高いこともあり、相鉄線内の停車駅を増やしただけでは、大きな利用増にはつながらない気もします。

相鉄は東急線への直通運転を2022年度下期に控えていて、利用者としても様子見気分があるのかもしれません。新ダイヤでどれだけJR直通客が増えるのか、相鉄の試行錯誤が続きそうです。

広告
前の記事東京モノレール、ゆいレール、ダイヤ改正で減便。空港アクセス輸送の不振が長引く
次の記事留萌線「石狩沼田まで存続」なら年3億4500万円。自治体に厳しい条件