JR東日本の喜勢社長が、上限運賃の算定における「総括原価方式」の見直しについて、国交省などと協議していることを明らかにしました。また、新幹線自由席特急券の認可制の撤廃も訴えています。
「赤字分を改定していく制度」
JR東日本の喜㔟陽一社長は、2026年3月10日に定例記者会見をおこないました。会見の席上、3月14日に実施する運賃改定に関連して、総括原価方式の見直しを訴えました。
総括原価方式は、運賃などの総収入を、経費や事業報酬などの総括原価の範囲内で設定するという仕組みです。
喜勢社長は記者会見で、これを「赤字が出たら赤字分を改定していくという制度」と評しました。

関係当局と議論中
喜勢社長によると、これまで原価の算定は過去10年間を反映していました。しかし、インフレを考慮して、これを5年に短縮。この見直しにより、今回の値上げが実現できたとのことです。
そのうえで、喜勢社長は現在の総括原価方式について、「タイムリーにコスト増を運賃に反映できない」と指摘。「いたずらに運賃を上げようと考えているわけではないが、経営環境の変化に応じて柔軟に運賃を改定できるような制度に変更してほしい」と訴えました。
さらに、「総括原価方式にかわる新しい運賃制度について、国交省や関係当局と議論をしている」ことも明らかにしました。すでに協議に入っているということです。
新幹線料金も
また、新幹線の自由席特急料金について、「認可制になっているが、柔軟に料金を設定できるよう届出制にしてほしい」と、国に要望していることを付け加えました。
特急料金は原則として届出制ですが、新幹線自由席特急料金は認可制です。自由席特急料金は新幹線のベースとなる料金ですので、それが認可制である以上、指定席も認可に縛られます。
つまり、JR東日本としては、新幹線特急料金を全面的に届出制にすることを訴えているわけです。いわば新幹線料金の「自由化」で、利用動向の変化にあわせた変動価格を導入したい意向です。
料金体系の見直しへ
JR東日本は、総括原価方式や新幹線自由席特急料金の認可制について、これまでも繰り返し見直しを求めてきました。
2025年3月期の決算資料では、「新幹線自由席料金の届出化やインフレにタイムリーに対応できるしくみの導入など、シンプルかつ柔軟な制度の実現や総括原価方式そのものの見直しに向けて、引き続き国に要望していく」と明記しています。
さらに「高付加価値車両も含めた料金体系を見直し、届出により実施可能な価格戦略を一段と推進する」とも記しており、届出制が認められた折には、グリーン車などの上級車両を含め、変動価格制を導入する方針を示唆しています。(鎌倉淳)






















