「綜合時間表 九州版」(九州の綜合時刻表)が、2016年10月号を最後に休刊することがわかりました。1946年創刊の特色ある地方時刻表が姿を消します。
九州旅行者愛用の時刻表
「綜合時間表 九州版」は、九州旅行案内社が刊行してきた文庫本サイズの時刻表です。九州地方のJR全線全駅の時刻のほか、東海道・山陽・九州新幹線、九州エリアの私鉄会社線、高速バス、主要路線バス、空港連絡バス、航路、航空路の時刻などを詳しく掲載しています。西鉄天神大牟田線についても、全列車掲載しています。
月刊で価格は税込み514円。ハンディで価格も安く、とくにバス路線の情報が豊富なことから、九州島内の自由旅行者に愛用されてきました。
2016年9月20日発売の10月号表紙には、「お知らせとお詫び」として「この10月号をもちまして、休刊いたします。皆さまには大変ご迷惑をおかけし、申し訳ありません。長い間のご愛読、誠にありがとうございました。」と記されており、休刊を伝えています。
ウェブ書店での内容紹介では「長い間のご愛読ありがとうございました」とも書かれており、事実上の廃刊とみられます。
「九州時刻表」は季刊に変更
九州のローカル時刻表としては、交通新聞社の「九州時刻表」があり、こちらは販売を継続していますが、2016年9月20日発売号より月刊から季刊に変更となっています。冬号が2016年11月19日発売予定、春号が2017年2月下旬、夏号が2017年6月下旬発売とされています。
定番だった赤の表紙も、10月号からリニューアルして写真メインに変更となっています。
苦戦する「紙の時刻表」
最近はウェブでの乗換検索が進歩していますし、鉄道・バス会社も自社時刻表をウェブ上に掲載しているのが一般的になりました。そのため、紙の時刻表の販売は減少傾向です。とくに地方版や小型版の時刻表は苦戦しているようです。
「綜合時間表 九州版」も、こうした時代の流れに逆らえなかったのか、創刊70周年を迎えるタイミングで幕を閉じることになりました。筆者も九州旅行の際には愛用していましたし、とても残念です。(鎌倉淳)