スカイマークが12月14日に再上場することを正式発表しました。現在、第3位株主のANAホールディングスは株式を放出せず、第3位株主にとどまる見通しです。
12月14日再上場
スカイマークは、東証グロース市場への新規上場が承認されたことを発表しました。スカイマークはかつて東証1部に上場していましたが、民事再生法の適用を申請したことで、2015年3月に上場廃止となっていました。
グロース市場への再上場は2022年12月14日の予定で、約7年半ぶりに株式市場に復帰します。
インテグラルとUDSが株式放出
東証の発表によれば、 スカイマークの発行済み株式は4728万6000株です。これに加えて、上場時に新たな株式が発行され、上場時の発行済み株式総数は6032万9400株になる予定です。
既存株主では、筆頭株主のインテグラルが二つのファンドからあわせて738万7700株を放出します。これにより、筆者の試算では、インテグラルの出資比率は約27%に低下するとみられます。ただ、上場後もインテグラルが筆頭株主であることに変わりありません。
第2位株主のUDSエアライン投資事業有限責任組合は、保有株の約半数の735万8300株を放出します。これにより出資比率は約14%となりそうですが、第2位株主に踏みとどまりそうです。
第3位株主のANAは株を放出しません。新規発行による株式の希薄化で出資比率は低下し、13%程度になりそうです。その場合、UDSに続く第3位株主のままです。出資比率13%は、ANAがエアドゥに対して出資しているのと同程度です。
インテグラルがANAの約2倍の株式を保持して筆頭株主の座にとどまることから、上場後に大きな経営方針の変化はなさそうです。
なお、上記の試算は筆者による計算です。投資の際はご自身でお確かめください。
737MAXを導入へ
スカイマークは、上場で得た資金を機材の更新に充てます。現在運航中のボーイング737-800型機の後継機として、ボーイング737MAXシリーズを導入することを発表しました。
737MAXには、「737-8」「737-9」など、いくつかのラインナップがありますが、スカイマークは標準型の737-8型機について、6機のリース締結を契約。また、胴体延長型の737-10型機について、確定4機、オプション2機の計6機を発注することでボーイング社と基本合意しました。合計で最大12機の導入を合意したことになります。
スカイマークは、現在737-800型機(177席)を29機保有しています。このうち20機が機齢10年以上で、6機が9年です。保有機材の多くが更新時期にさしかかっていることから、古い機材の一部を737MAXに置き換えていくとともに、保有機材数も増やしていきます。
座席数も航続距離も増
6機のリース契約をした737-8のメーカー標準座席数は189席で、現行機の177席より12席多くなっています。また、胴長の737-10は230席となっていて、定員を3割増やすことができます。
航続距離は737-8が6570km、737-10が5740kmです。737-800の航続距離は5665kmですので、どちらのタイプでも航続距離は伸びます。国際線展開の選択肢が増えるでしょう。
リース契約を締結した6機に関しては、2025年度第1四半期より導入を開始します。また、基本合意した4~6機は、2026年度から順次導入していきます。
再上場と新機材更新で、スカイマークは新たな飛躍のときを迎えそうです。(鎌倉淳)