スカイマークがエアバスの超大型機A380の購入を断念したようです。ブルームバーグが報じました。ブルームバーグによりますと、スカイマークが発注した6機の契約取消で合意したとのことです。スカイマークに引き渡し予定のA380型機については、すでに一部機体で塗装が終わっていますが、これらの納入もキャンセルされるようです。
違約金交渉が難航
これに関し、スカイマークはプレスリリースを発表し、A380型機の契約変更については交渉中であるとしたうえで、エアバス社がA380型機契約変更の条件として、同社が大手航空会社の傘下に入ることを求めてきたことを明かしました。それを拒否したところ、常識を逸脱した法外な違約金を提示されたとのことです。
最初の契約でキャンセル時の違約金について明記がなかったとは考えにくいですし、契約変更の条件として他社グループ入りを要求されるというのも理解しづらい話です。全くの想像ですが、スカイマークが違約金支払いを手元資金でまかなえないため、資金調達のために他社グループ入りを求められた、ということかもしれません。いずれにしろ、スカイマークに巨額の違約金支払負担がのしかかってくるのは間違いなさそうです。
交渉の行方はわかりませんが、スカイマークがA380型機の導入を断念した以上、同社が予定していた成田~ニューヨーク線の運航も中止に追い込まれそうです。
一部塗装が終わったスカイマーク向けA380。写真:スカイマークホームページより
成田国内線も縮小か
スカイマークは、ニューヨーク線の運航に備え、成田空港の発着枠を確保するために、成田発着の国内線運航を継続してきました。成田路線は同社のなかでも採算性が悪く、同社の最近の苦戦の原因になっています。もし、スカイマークが当面の国際線就航を全面的に断念する場合、成田発着の国内線路線も縮小されるかもしれません。
利用者としては、A380型機によるニューヨークまでの格安ビジネスクラスに期待していたため、就航中止は残念です。また、日本の航空運賃値下げを引っ張ってきた会社だけに、大手航空会社の傘下入りなどせず、独立経営を守り抜いてほしいところです。