スカイマークが国際線客室乗務員の採用を開始。待遇・給与をJAL,ANAと比較してみた

スカイマークが国際線客室乗務員の採用を開始しました。スカイマークはエアバスA380による成田-ニューヨーク線の運航を2014年下期に開始する予定で、その乗務員の確保が目的のようです。

スカイマークが今回募集しているのは、大手航空会社などでの経験者20名程度。いわゆる「経験者募集」です。ちょうど、日本航空も既卒の客室乗務員採用を行っていて、全日空も現在選考中ですので、それらと待遇を比較してみました。いずれも、各社ホームページに公表された募集要項を元にしています。

スカイマーク募集要項

■業務内容
・SKY 国際線及び国内線客室業務及び空港における地上旅客ハンドリング業務全般
・JAL 客室乗務員業務(国内線および国際線)および一部地上業務の両方に従事します。
・ANA 航空機内における客室乗務員業務

スカイマークと日本航空は客室と地上の両方の業務を担当します。全日空は地上業務は担当しないようです。

■応募要件
・SKY 国内大手航空会社等において国際線客室経験、PC(Word・Excel)、英検2級、もしくはTOEIC 500点以上相当の英語力
・JAL TOEIC 600点以上、または同程度の英語力
・ANA TOEIC 600点程度以上の英語力

英語力はスカイマークが500点とやや甘め。ただ、スカイマークは経験者採用で、応募者の多くは日本航空と全日空の出身者と思われます。そのため、結局600点以上の人しか集まらないのではないか、とも思います。

スカイマークはPCスキルを求めているのが特徴です。デスクワークが日本航空・全日空より多いのかもしれません。

■雇用身分
・全社 契約社員(最大3年間、正社員登用あり)

雇用身分に関しては、各社とも契約社員で、3年後に社員登用するというものです。

■賃金
・SKY 入社6ヶ月間 標準時間給1,100円、以後月給165,000円(2年目以降5,000円ずつ昇級)、乗務手当1時間につき1,200円 (月給制適用後は1,400円)
・JAL 基本給時給1,133円、乗務付加1時間につき700円
・ANA 基本給時給1,235円、乗務付加1時間につき700円

賃金に関しては、スカイマークがもっとも詳細に書かれていて、半年勤務後の月給が16,500円、乗務手当が1,400円です。乗務を月80時間と仮定すると、月277,000円です。ちなみに、スカイマークでは、当初時給が1,100円ですので、月給は150時間勤務分に相当します。

日本航空と全日空では全日空のほうが時給は上回ります。月間労働時間を150時間、乗務を80時間と仮定すると、日本航空が225,950円、全日空が241,250円となります。

日本航空と全日空は基本賃金も時給制ですので、乗務時間によって月収のバラツキが大きいと思われます。実際、経験者の話を聞いても月20万円程度から30万円程度まで波があるようです。スカイマークはベースが月給制ですので、バラツキは少ないでしょう。

上記の数字を見る限り、スカイマークの待遇が若干いいように見えますが、同社は経験者採用、日本航空と全日空は既卒未経験者採用である点を考慮にいれておかなければなりません。総合すると、各社の待遇は大きくは違わない、という印象を受けます。

ただし、みなさんよくご存じだと思いますが、企業の待遇の良し悪しは、給与などの表面的な部分以外にも多く表れます。募集要項の数字だけをみて待遇を比較することは一面的であるということを、念のため付け加えておきます。

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