YouTube「ルイルイちゃんねる」で、「シンバス旅in福岡」が公開されました。ルイルイこと太川陽介が、路線バスだけを乗り継いで旅をする動画です。
今回は、山口県下関市から、福岡県赤村を目指します。このルートを、少しだけ検証してみましょう。
なお、以下はネタバレ100パーセントです。また、結果論100パーセントです。行ってない筆者が机上で語っているだけです。ご理解ください。
「ルイルイちゃんねる」の企画
「シンバス旅」は、太川陽介が出演するYouTube「ルイルイちゃんねる」の配信番組です。各地の市役所で、職員らに行き先クジを引いてもらい、選ばれた自治体へ、路線バスのみで向かうという企画です。
2024年11月12日と11月19日に公開された第4弾「シンバス旅in福岡」では、山口県下関市から福岡県赤村へ向かうという設定になり、ルイルイがスタッフと旅をしました。
そのルート検証を、少しだけしてみましょう。
ご覧になっていない方は、こちらからどうぞ。
実際ルート
さて、最初に、動画でルイルイが実際に旅したルート(実際ルート)をたどってみましょう。ロケ日は10月13日という三連休の中日でした。したがって、休日ダイヤで、時刻表上の定刻を確認してみました。
▽1日目
下関市役所→徒歩1.9km→関門トンネル人道下関側→徒歩1km→10:13関門トンネル人道口→徒歩2.3km→11:03 門司港駅11:16→11:58小倉駅入口→小倉駅13:00→13:29寺迫口14:10→15:01行橋駅東口15:42→16:22香春町役場→徒歩6.9km→18:11赤村役場
ということで、無事ゴール。帰京の飛行機の都合があり、赤村役場到着のタイムリミットは19時でしたが、それより50分の余裕を残していました。
ゴールしたので、ルイルイがたどったルートは「正解」としていいのですが、他にルートはなかったのか、検証してみます。
※Googleマップは概略です。実際のルートとは異なります。
関門トンネル人道口10時13分スタート
まず、起点の下関市役所の出発時刻がはっきりしませんが、逆算すると9時30分~40分頃に歩き始めたと思われます。
下関市役所から、関門トンネル人道入口までは約2km。この区間はバスも頻発していますので、利用可能です。
バスを利用していたら、10分くらいは早く、関門トンネルに到着できた可能性があります。ただ、ここでは、下関側の徒歩は所与として、関門トンネルを抜けた門司側から検証します。
関門トンネル人道口(門司側)停留所に10時13分に到着したところから、検証を始めるということです。
11時02分発を待っていたら
10時13分に関門トンネル人道口(門司側)の停留所に到着したとき、門司港方面行きのバスは、10時02分発が出たばかりでした。
次のバスは、11時02分発です。ルイルイは、これを待たずに歩き始めましたが、仮に待っていたら、どうなっていたでしょうか。
▽1日目
関門トンネル人道口11:02→11:58小倉駅入口
このように、時刻表上は11時58分に小倉駅に到着できます。
実際ルートでは、門司港駅まで約2kmを歩き、そこでバスを捕まえていました。実際ルートの小倉駅入口到着は、時刻表上で11時58分。つまり同じです。
動画を見ると、ルイルイが門司港駅から乗ったバスは「74系統」で、関門トンネル人道口を経由しています。つまり、2km歩かなくても、同じバスに乗れたというわけです。残念ながら、関門トンネルから門司港までは、無駄な歩きでした。
田野浦方面に向かったら?
では、関門トンネル人道口から、門司港方面以外に歩く方法はなかったのでしょうか。
西鉄バスの路線図を見ると、田野浦からのバス路線があります。
田野浦方面を目指した場合、途中の大久保越という停留所まで歩き、次のような乗り継ぎになります。
▽1日目
関門トンネル人道口10:15→徒歩2km→大久保越11:21→11:54小倉駅入口
このように、小倉駅11時54分に到着します。実際ルートの時刻表上の小倉駅入口着は11時58分なので、4分早着できます。ただ、小倉駅に4分早く着いても、大勢に影響はありません。
小倉東インタールート
しかし、このバスを砂津で降りた場合、時刻表上は、次のような乗り継ぎが実現できます。
▽1日目
関門トンネル人道口→徒歩2km→大久保越11:21→11:51砂津11:53→12:31小倉東インターチェンジ12:52→13:33行橋駅東口13:52→14:32香春町役場→徒歩6.9km→16:20ごろ赤村役場
大久保越からのバスは、時刻表上、砂津で弥生が丘方面のバスに乗り継げます。
これに乗ると、途中の小倉東インターチェンジで、福岡から行橋への高速バスの下道区間に乗り継げます。すると、行橋駅に実際より1時間半ほど早く到着でき、香春町役場方面の1本早い便に間に合います。
結果として、赤村役場には16時20分頃の到着。実際は18時11分でしたので、2時間近く早くゴールできていたことになります。
ただ、この乗り継ぎはあくまで机上論で、砂津での2分乗り換えや、ルート聞き込みの時間を考えれば、実現はまず不可能です。
また、大久保越からのバスは、途中で都市高速道路を通ります。その点も議論になるでしょう。
実際ルートからの高速下道
机上論でいえば、実際ルートの門司港からのバスでも、寺迫口経由で、小倉東インターからの高速バス下道区間に乗車できます。
▽1日目
門司港駅11:16→11:58小倉駅入口→小倉駅バスセンター12:00→12:29寺迫口→徒歩1.4km→バイパス津田12:52→13:33行橋駅東口13:52→14:32香春町役場→徒歩6.9km→16:20ごろ赤村役場
寺迫口から1.4kmほど歩いた先にある、バイパス津田という停留所から、行橋行き高速バスに乗るルートです。
小倉駅での乗り継ぎ時間を考えると、現実的にはほぼ不可能なルートです。
小倉駅のルート選択
実際ルートに戻ります。ルイルイは、門司港駅前からバスに乗り、小倉駅入口で下車。小倉駅のバス案内所を目指しますが、休日だからか、営業していません。
かわりに観光案内所で聞き込んで、行橋までのルートの情報を得ました。
そのやりとりは公開されていないのでわかりませんが、おそらくは、行橋方面のほか、2方向が検討されたとみられます。
石原町ルート
一つが石原町方面、もう一つが黒崎方面です。順に検討してみます。
石原町方面に進んだ場合、次のような乗り継ぎになります。
▽1日目
小倉駅入口13:21→14:05中谷14:26→14:32丸山(石原町)→徒歩21km→赤村役場
13時すぎに石原町に着けます。しかし、石原町以南の路線バスは廃止され、コミュニティバスが平日と土曜日に走るのみです。ロケ日は休日でしたので、バスが途絶え、その先、赤村役場まで歩くことになっていたでしょう。
その距離は、じつに21km。順調でも5時間はかかります。したがって、19時までにゴールすることは難しかったでしょう。
黒崎ルート
では、黒崎方面はどうでしょうか。次のような乗り継ぎになります。
▽1日目
小倉駅前12:42→13:29西鉄黒崎バスセンター13:34→14:19直方15:00→15:23武谷→徒歩3.8km→勢田橋16:17→16:34新飯塚駅17:17→17:55伊田駅/田川伊田駅前18:38→18:51大任町役場口→徒歩2.9km→赤村役場
このように、黒崎から直方を経由することで、赤村の隣の大任町に到達できます。そこから3kmほど歩けば、赤村役場です。
ただ、この乗り継ぎは、直方から飯塚を経由して伊田に向かう乗り継ぎが難しいです。また、赤村役場の到着時刻は19時を回りますので、時間切れとなります。
すなわち、黒崎に向かっていても、ゴールはできませんでした。
たったひとつの「正解」
ということで、簡単に検証してみましたが、ルイルイがたどったルート以外に、制限時間内にゴールできる、現実的な乗り継ぎは見つかりませんでした。
つまり、ルイルイは、実質的に唯一の「正解ルート」を選択して、ゴールしたといえそうです。たったひとつの正解を、鮮やかに解き明かしました。
今回は、ルイルイの快勝でした。次回以降も楽しみです。(鎌倉淳)