「旅好き」の方で「お城も好き」という方は多いと思います。そうした「お城好き」にはちょっと見逃せないイベントが、12月に開催されます。その名も『お城EXPO2016』。国内初となる、「城」をテーマにした総合イベントだそうです。
注目は「40城ジオラマ模型」
『お城EXPO2016』が開催されるのは、2016年12月23日からの3日間。場所はパシフィコ横浜です。
展示内容は、「城郭の浮世絵展」「お城のジオラマ模型展」「現存十二天守模型展」「厳選城絵図展」「日本100名城写真展」「城めぐり観光情報ゾーン」「お城シアター」など。
趣味の話なので好みは人それぞれですが、筆者の個人的な注目は、「お城のジオラマ模型」でしょうか。全国各地の40城のジオラマが展示されるそうです。リストを掲げてみましょう。
五稜郭/福山城/弘前城/鶴ケ城/水戸城/館林城/小田原城/石垣山城/松本城/躑躅ケ崎館/駿府城/掛川城/浜松城/井伊谷城/岡崎城/勝幡城/岐阜城/苗木城/飛騨高山城/丸岡城/敦賀城/彦根城/安土城/小谷城/大坂城/岸和田城/郡山城/高取城/和歌山城/尼崎城/竹田城/備中高松城/萩城/高松城/松山城/宇和島城/今治城/来島城/高知城/福岡城
全国の城郭に付属している博物館に行くと、それぞれの城のジオラマ模型が展示されていることがあります。筆者はそれを時間を忘れて見入ってしまうタイプですが、それが40城もずらりと並んでいるのであれば、かなり壮観なことでしょう。
「お城EXPO2016」ウェブサイトより
古地図も展示
古地図が好きな人には、「厳選城絵図展」も注目でしょう。日本城郭協会所蔵の城絵図8点が展示されます。展示予定作品は、以下の通り。
日本城郭配置図/江戸城下図/白石城図/姫路城図/松山城図/彦根城図/松本城図/吉田郡山城図
講演会も豊富です。小和田哲男氏や三浦正幸氏といった、城郭研究で知られた研究者のお話から、春風亭昇太さんのように、城歩きが好きな有名人の回もあります。
「お城ファン」が実際に訪れた城ランキング
ところで、実際にお城ファンが足を運ぶ城はどこなのでしょうか。城をテーマとしたGPSスタンプラリーアプリ「発見!ニッポン城めぐり」のデータによりますと、『お城ファンが実際に訪れた日本のお城ランキングTOP100(2016年版)』は以下のような順位だそうです。
1位 姫路城 (兵庫県姫路市)
2位 大坂城 (大阪府大阪市)
3位 松本城 (長野県松本市)
4位 彦根城 (滋賀県彦根市)
5位 上田城 (長野県上田市)
6位 備中松山城 (岡山県高梁市)
7位 松江城 (島根県松江市)
8位 金沢城 (石川県金沢市)
9位 犬山城 (愛知県犬山市)
10位 松山城 (愛媛県松山市)
11位 小田原城 (神奈川県小田原市)
12位 熊本城 (熊本県熊本市)
13位 竹田城 (兵庫県朝来市)
14位 江戸城 (東京都千代田区)
15位 丸亀城 (香川県丸亀市)
16位 会津若松城 (福島県会津若松市)
17位 丸岡城 (福井県坂井市)
18位 忍城 (埼玉県行田市)
19位 名古屋城 (愛知県名古屋市)
20位 二条城 (京都府京都市)
21位 安土城 (滋賀県近江八幡市)
22位 高取城 (奈良県高市郡高取町)
23位 岡山城 (岡山県岡山市)
24位 高知城 (高知県高知市)
25位 白河小峰城 (福島県白河市)
26位 掛川城 (静岡県掛川市)
27位 津山城 (岡山県津山市)
28位 今治城 (愛媛県今治市)
29位 苗木城 (岐阜県中津川市)
30位 和歌山城 (和歌山県和歌山市)
現存天守閣を擁する城や、大阪城のような巨城が上位に並ぶなか、5位上田城の健闘が光ります。真田丸効果なのでしょうか。
高取城や白河小峰城が、安土城や岡山城、高知城などと肩を並べる順位に入っている点も興味深いです。こうしたランキングは、下位のほうがおもしろいのかもしれません。
このランキングは現在100位まで発表されていますが、101位以下の順位も『お城EXPO 2016』のワークショップにおいて、発表されるそうです。
旅好きが楽しめそうなイベント
「城めぐり」は、旅の一つのテーマです。筆者も現存12天守は全て行きましたし、旅先に城跡があると、つい立ち寄ってしまいます。同じような行動をする方も少なくないでしょう。
日本人に城好きは多いと思いますが、考えてみれば、「日本全国の城郭建築」をテーマにした博物館は見当たりません。各地の城郭付属の博物館に行けば、各城の展示はありますが、日本の城郭建築物を俯瞰するような展示は見かけません。「日本城郭博物館」の建築構想もあったようですが、実現していません。
その意味で、今回の『お城EXPO2016』は着眼点がいいですし、城めぐりが好きな旅好きには楽しめそうなイベントになりそうです。(鎌倉淳)