「新幹線で新大阪~新山口を安く行く方法」について、2021年10月末の新幹線回数券廃止を見据えて、最新情報を反映してまとめてみました。「のぞみ」「みずほ」「さくら」「ひかり」「こだま」の5列車について、かなり基本的なことから、ややマニアな買い方までご紹介します。なお、10月末で廃止される回数券に関しては記載していません。
新大阪・新山口価格比較
山陽新幹線で新大阪~新山口を旅行する場合、正規運賃・料金は、「のぞみ」「みずほ」指定席の場合で13,170円(通常期)。「さくら」「ひかり」「こだま」の指定席が12,850円(同)。自由席が12,320円です。これがいわゆる「通常料金」です。
夏休みなどの繁忙期は指定席料金が200円増し、旅行者の少ない閑散期は200円引きになります。自由席は通年同額です。
新大阪~新山口間の新幹線の割引きっぷを、以下に表にしてまとめておきます。詳細は下のほうで説明していきます。
きっぷ | 価格 |
---|---|
指定席通常価格(のぞみ・みずほ) | 13,170円 |
指定席通常価格(さくら・ひかり・こだま) | 12,850円 |
自由席通常価格 | 12,320円 |
新幹線直前割きっぷ(ひかり・こだま) | 7,500円 |
おとなびWEB早特(のぞみ・みずほ) | 9,210円 |
おとなびWEB早特(ひかり・こだま) | 7,500円 |
スマートEX(自由席) | 12,320円 |
エクスプレス予約 | 11,300円 |
e特急券・eきっぷ | 11,400円 |
株主優待割引(のぞみ・みずほ指定席) | 6,580円 |
株主優待割引(自由席) | 6,160円 |
パッケージツアー | 約18,000円~ |
ダイナミックパッケージ | 約20,000円~ |
自由席を使う
まず、基本的なルールとして、新幹線では自由席に乗ると安くなります。上述したように、自由席の価格は全列車均一の12,320円で、これだけで「のぞみ」「みずほ」指定席より850円も安くなります。割引率は約7%で、簡単ですが効果的な格安旅行法です。
・自由席 12,320円
自由席は席の確保が心配になりますが、新大阪から乗る場合は始発列車を選べば、空席にありつける可能性が高いでしょう。新山口から乗る場合も、博多始発の列車を選べばおおむね座れます。
万一座れなかったとしても、広島や岡山などで乗降がありますので、途中で座れる可能性があります。
「さくら」「ひかり」「こだま」に乗る
どうしても指定席がいい、という人は、「さくら」「こだま」に乗ると「のぞみ」「みずほ」より210円安くなります。「さくら」「ひかり」「こだま」の指定席料金は通常期12,850円です。
・「さくら」「ひかり」「こだま」指定席 12,850円
新大阪~新山口の場合、「さくら」がおすすめです。「ひかり」はほとんど走っていませんし、「こだま」は時間がかかりすぎるからです。また、「さくら」の指定席は横4列で、「のぞみ」の横5列シートより快適です。
「さくら」は「のぞみ」に比べると停車駅が多いですが、新大阪~新山口間の所要時間については「のぞみ」より5分程度遅いだけです。
新幹線直前割きっぷ
期間限定ですが、条件があえばおすすめなのは、「新幹線直前割きっぷ」です。JR西日本ネット予約「e5489」でのみ購入できます。2021年7月2日~2021年11月28日の金・土・日・祝日と11/4・22に利用できます。
・新幹線直前割きっぷ 7,500円
利用日の3日前~前日まで発売します。一部の「ひかり」「こだま」の指定席が7,500円という破格値で購入できます。列車の変更などはできません。
おとなびWEB早特
50歳以上なら、「おとなびWEB早特」が超おすすめです。おとなび会員限定の、JR西日本ネット予約「e5489」で購入できる割引きっぷです。
「おとなび」の入会条件は50歳以上ということだけ。つまり、50歳以上なら誰でも会員になれます(会費無料)。会員になれば、おとなびWEB早特が購入できます。
・おとなびWEB早特 7,500円
「こだま」と一部の「ひかり」の指定席が7,500円という破格値です。7日前まで発売で、列車の変更などはできません。
おとなびWEB早特には、「のぞみ」「みずほ」に乗車できるタイプもあり、こちらは9,210円です。「のぞみ」「みずほ」指定席に乗れるにしては割安です。
スマートEX
スマートEXは、東海道・山陽新幹線のインターネット予約です。会員制サービスですが、年会費は無料です。利用にはクレジットカードが必要です。また、交通系ICカード(Suica、TOICA、ICOCAなど)があれば、チケットレスサービスも利用できます。
スマートEXサービスを使うと、東海道・山陽新幹線の指定席が通常価格の200円引きで利用できます。自由席は通常価格と同価格で、割引はありません。
エクスプレス予約
エクスプレス予約は、東海道・山陽新幹線の有料会員制インターネット予約です。一般会員制度はなく、年会費1,000円のクレジット会員になると利用できます。価格は11,300円で、指定席の定価より1,870円も安く利用できます。
片道乗るだけで、年会費分をペイできます。往復利用するならだいぶお得なので、これを機会に入会してもいいかもしれません。
e特急券・eきっぷ
e特急券はエクスプレス会員専用の特急券、eきっぷはJ-WESTカードやJQ CARD会員を対象とした特急券です。いずれも乗車券を組み合わせて利用します。合計の価格は11,400円。定価より1,770円も安く利用できます。
J-WESTカードやJQ CARDは有料会員制ですが、初年度年会費無料ですし、年1度でも利用するとその後の年会費が無料になるので、JR西日本エリアに在住の方は、これを機会に入会するのもいいでしょう。
JR西日本株主優待券
JR西日本の株主優待券を利用すれば、1枚につき運賃・料金が50%割引になります。新大阪~新山口では、「のぞみ」「みずほ」指定席が6,580円、自由席が6,160円です。
・株主優待割引(のぞみ・みずほ指定席) 6,580円[要株主優待券1枚]
・株主優待割引(自由席) 6,160円[同上]
株主優待券は金券ショップなどで購入でき、相場は1枚3,500円程度です。コロナ前は5,000円ほどしていたので、それよりは安くなりました。1枚3,500円で入手した場合、「のぞみ」指定席が10,080円、自由席が9,660円となります。
この価格なら、定価よりも2割近く安いので、使う価値があるでしょう。株主優待券の相場が上がっても、1枚4,000円程度までなら、有効な格安旅行法といえます。
レールパック
往復の新幹線と宿泊がセットになった旅行商品(パッケージツアー)です。日本旅行の「JR・新幹線+宿泊セットプラン」が有名です。2名1室利用で一人18,000円程度~。1名利用の場合は、2,000円ほど高くなります。
・新幹線指定席往復+ホテル1泊で18,000円程度~
往復18,000円程度で宿泊と新幹線代が含まれるので、価格的にはお得です。ただし、週末や繁忙期、時間帯のいい列車などは高くなります。また、利便性の高いビジネスホテルでも、もう少し高くなることがあります。出発6時間前まで予約できます。
日本旅行「JR・新幹線+宿泊セットプラン」
ダイナミックパッケージ
ダイナミックパッケージは、お好みの新幹線と宿泊ホテルを組み合わせて、インターネット上で予約、決済するパッケージです。
山陽新幹線のでは「JTBダイナミックパッケージ」が利用できます。同サイト上で予約・決済し、きっぷは新幹線駅構内にある指定席券売機で受け取れます。
上記「レールパック」との違いは、列車とホテルの組み合わせの自由度が高いことです。JTBのダイナミックパッケージは、乗り遅れても後続列車の自由席に乗車可能の設定もあり、利用しやすいのが特徴です。
・新幹線指定席往復+ホテル1泊で20,000円程度~
出発前日まで予約できます。
JTBダイナミックパッケージ
まとめてみると
新大阪~新山口間は格安チケットの少ない区間です。割引きっぷがいくつか用意されていますが、どれも制約があります。
まず、50歳以上なら「おとなびWEB早特」一択でしょう。会員資格があって、このきっぷを見逃す手はありません。
49歳以下の場合は、期間限定きっぷですが、「新幹線直前割きっぷ」がおすすめです。
49歳以下で「新幹線直前割きっぷ」の期間外となると、選択できる割引きっぷは激減します。有料会員登録なしに自由席の定価より安く乗る方法は、株主優待券くらいになります。ただし、流通している株主優待券の相場によって、お得度は変わります。
宿泊を伴う旅行なら日本旅行の「JR・新幹線+宿泊セットプラン」や、「JTBダイナミックパッケージ」が魅力的です。価格も手ごろで、前日または当日でも予約できるのは便利です。
安く旅をするなら、こうしたプランを発売している旅行会社のウェブサイトを検索してみるのもよさそうです。(鎌倉淳)
日本旅行「JR・新幹線+宿泊セットプラン」
JTBダイナミックパッケージ