「品川新駅」の駅名案を、かたっぱしから考えてみた

本当にただ考えただけです

JR東日本が、山手線・京浜東北線の田町~品川間に設置する「品川新駅」(仮称)の駅名を公募しています。新駅の駅名案を、かたっぱしから考えてみました。

広告

半世紀ぶり新駅

新駅は、JR東日本の車両基地(旧田町車両センター)の跡地に建設されます。「品川駅北周辺地区まちづくりガイドライン」(以下ガイドライン)では、再開発エリア全体を、「JR品川車両基地跡再開発」と表記しています。

新駅は品川駅の北0.9kmに位置し、2020年春の、東京オリンピック前に開業を目指しています。山手線に新駅ができるのは、1971年に西日暮里駅ができて以来約半世紀ぶりのことになります。

品川新駅駅名公募
画像:JR東日本ウェブサイトより

地名なら「港南」「高輪」

さっそく新駅名を考えてみましょう。まずは、周辺地域の地名から。駅が立地するのは港区港南2丁目なので、ずばり「港南駅」。でも、新駅に停車する京浜東北線・根岸線に「港南台駅」(横浜市)があるので紛らわしく、これはムリそうです。

次に、西側に隣接する港区高輪2丁目にちなんで「高輪駅」。高輪は高級住宅地として名高いですし、有力案の一つでしょう。ただ、近くに都営浅草線の「高輪台駅」がありますし、東京メトロと都営三田線の「白金高輪駅」もあります。そのため、これも少し紛らわしいかもしれません。

近くの地名として「芝浦駅」もアリでしょう。知名度の高い地名ですし、駅近くには芝浦中央公園もあります。

複数の地名をあわせて「高輪港南駅」「高輪芝浦駅」「芝浦港南駅」なども候補にはなりそうです。

広告

「東西南北新」を付ける?

新駅は、品川駅の北にあります。ですので、「北品川駅」にするのも一つの方法に思えますが、京急にすでに「北品川駅」があり、全く違う位置です。したがってこれは却下。

「東西南北」を付けるなら「南田町駅」「東高輪駅」といった組み合わせもあり得ますが、弱含みに感じられます。

新品川駅」は候補になりそうですが、新幹線の駅と混同しやすいので、採用されづらいでしょう。そもそも、新駅は品川区にありませんから、「品川」の名前はあえて付けないのでは、と予想します。

新駅が立地するのは港区です。港区ブランドを活かすなら、「みなと高輪駅」でしょうか。どこかで見たことがあるような駅名ですが、可能性はありそうです。

品川新駅周辺の将来像
品川新駅周辺の将来像。「品川駅北周辺地区まちづくりガイドライン」より

「泉岳寺」はダメなのか

品川駅と田町駅の間にあるので「品田駅」「田品駅」というアイデアもあります。タモリさんは、テレビ番組で「品田駅」を推していたようです。

かつての田町車両センターの跡に作られる駅なので、「車両センター跡駅」「車両基地駅」というのも、個人的には好きです。でもたぶん、不採用ですね。なんとなく。

新駅は、京急・都営浅草線の泉岳寺駅に隣接します。ですので、いっそ、JRの新駅も「泉岳寺駅」とすれば、利用者にはわかりやすいです。

ただ、「泉岳寺駅」の名称には、再開発都市らしい新しさがありません。また、泉岳寺(寺院)は駅名として名称を使われることを歓迎しておらず、かつて東京都に対し訴訟を起こしたこともあります。

ですので、JR新駅に「泉岳寺」の名称が使われる可能性は限りなく低いでしょう。

広告

「再開発エリア名」の公募?

そもそも新駅の駅名は、再開発エリア名と同じにするのが、明快で都合がいいと思います。

となると、この「品川新駅の駅名公募」は「品川再開発のエリア名公募」と考えていいのかもしれません。

そう考えると、もう少し再開発エリアっぽい名称が好まれそうです。

東京都は品川・田町周辺を「サウスゲート」と位置付けていますので、再開発エリアを「サウスゲートシティ」とでも名付けて、駅名を「サウスゲートシティ駅」や「東京サウスゲート駅」「高輪サウスゲート駅」などとするのは、悪くなさそうです。

JR品川車両基地跡再開発は、環境に配慮したクライメット・ポジティブ開発プログラムに参加しています。そのため、「東京エコシティ」「港南エコシティ」なども候補しては考えられます。新しさがありませんが。

あるいは、オリンピックに掛けて「高輪2020駅」とか。さすがに、これはないか。

国際交流拠点らしい名称?

また、ガイドラインによると、再開発地域は「先進技術と国際文化等の交流する国際的な拠点(国際交流拠点)の形成」を目指しているそうです。となると、その精神を体現した駅名を考えるのも良さそうです。「インターシティ」あたりが最適かもしれませんが、すでに品川に存在します。

となると「文化」に掛けて、「東京カルチャーシティ」でしょうか……、ちょっと軽いので、却下。「拠点」に掛けて、「東京ジャンクションシティ駅」「高輪ベース駅」。これも今ひとつ。

ガイドラインをさらに読むと、「風と緑で空間をつなぐ」というまちづくり方針が見つかりました。ならば「東京ウィングシティ駅」「港南グリーンタウン駅」……。既視感があります。

車両基地跡ということで、「東京レールシティ駅」だと、テーマパークぽいでしょうか。「東京ガレージシティ駅」「高輪ガレージタウン駅」あたりは、いかがでしょうか?

シンプルな再開発エリアの地名として、「高輪シティ駅」「たかなわ新都心駅」なども考えられます。でも、再開発地区は、「新都心」というには、ちょっと規模が小さいかもしれません。

広告

勝手に筆者案をまとめてみると

筆者の創造力乏しい脳みそから出てきた駅名案は、このくらいです。勝手に筆者案をまとめてみると、以下でしょうか。異論は大いに認めます。

・本命…「東京サウスゲート駅」
・対抗1…「高輪駅」
・対抗2…「高輪港南駅」
・対抗3…「みなと高輪駅」
・大穴…「高輪ガレージタウン駅」

「高輪」の付いた駅名が多くなりましたが、近隣地名を駅に織り込むなら、高級住宅地として知名度の高い「高輪」を選ぶのではないかと思います。

いろいろ書きましたが、山手線の他駅は、いずれも漢字のみのシンプルなネーミングですし、新駅もシンプルであって欲しい、と思います。ですから、個人的な願望しては、新しさはありませんが「高輪駅」でいいのではないか、と思います。

なんであれ、100年後でも古さを感じさせない、普遍的な美しさを持つ新駅名であってほしいものです。(鎌倉淳)

広告
前の記事「新快速」に有料座席車を導入!? でもどうやって?
次の記事「モバイルSuica特急券」が「えきねっと」に統合。新幹線ネット予約はどう変わる?