東急電鉄が2022年度開業予定の東急新横浜線・綱島地区の新駅について、駅名案を募集します。応募できるのは横浜市港北区関係者だけですが、駅名候補を考えてみましょう。
「新綱島」「東綱島」「その他」
東急新横浜線は、相鉄線と東急線を結ぶ「相鉄・東急直通線」のうち、東急が運行する新横浜(仮称)~日吉間の路線名です。その途中駅が「新綱島駅」(仮称)で、駅の正式名称を決めるにあたり、駅名案を公募するものです。
応募できるのは、横浜市港北区の在住・在職・在学者です。インターネット、または郵便はがきにて受け付けます。
東急は、駅名案として、「新綱島駅」「東綱島駅」「その他」の三択を用意しています。「その他」は自由回答で、駅名案を記します。「綱島駅」は対象外です。
駅名案の募集期間は2020年8月10日から9月6日までで、駅名発表時期は2020年内を予定しています。
温泉にちなむなら
ということで、今回は公募と言っても、東急が「新綱島」「東綱島」という、至極オーソドックスな2案をあらかじめ提示しています。おそらくは仮称通りの「新綱島」が有力でしょう。それを承知の上で、どんな駅名案があり得るか、考えてみましょう。
まず、ある一定年代以上の方なら、「綱島」と聞いて思い浮かぶのは温泉ではないでしょうか。綱島は、かつて「東京の奥座敷」と呼ばれ、東横線の車内から建ち並ぶ旅館が眺められたほどの温泉街でした。
いまも往年の面影はないものの、わずかに温泉施設が残っています。ということで、「綱島温泉駅」でどうかと思いますが、もともと現綱島駅の旧名称なので、いまさら復活はなさそう。「ほっと綱島駅」といった今風の名前にする手もありそうですが、二番煎じです。
街道にちなむなら
次に、綱島と聞いて思い浮かぶのは綱島街道。中原街道につながり、東京と横浜を結ぶ主要道路として知られています。ということで、「綱島街道駅」は候補になりそうです。流行のウェイぽくするなら「綱島ロードウェイ」とかどうでしょう?
綱島は鶴見川沿いの町です。「多摩川駅」もあることですし、「鶴見川駅」はどうかと思いましたが、鶴見駅と間違えそうなので却下。今っぽく「綱島リバーサイド駅」「綱島リバーシティ駅」「綱島ウォータータウン」といった、川にちなんだ駅名も考えてみましたが、令和時代になってみると古い感じです。
綱島街道が鶴見川を渡る橋の名前から取るなら「大綱橋駅」ですが、これはなんとなくなさそう。
名産にちなむなら
綱島はかつて桃の名産地で、現在も池谷桃園が「日月桃(じつげつとう)」などの品種を生産しています。それにちなんで「綱島桃園駅」はどうでしょうか。今ふうに「綱島ピーチタウン」……はないですね。東急らしく「ももが丘」とかならまあ……、ないですね。
東急らしさでいうならば、「宮崎台」「青葉台」「すずかげ台」など、駅名に「台」を付けるのが好きな会社です。さいわい新駅の北には高台があり、かつては桃の木が桃色の雲のように見えたことから「桃雲台」と呼ばれたそうです。ならば、直球で「桃雲台駅」はどうでしょうか。何なら綱島を付けて「綱島桃雲台駅」とか。
ダイレクトに「綱島台駅」もしっくり来ますが、行政区域の「綱島台」から少し離れているから難しそうです。「綱島公園駅」も落ち着いた名前ですが、施設から少し離れています。
再開発にちなむなら
新駅周辺の再開発事業に目を転じると「綱島サスティナブル・スマートタウン」というプロジェクトがあります。これを駅名に使うなら「綱島SST駅」でしょうか。ただ、新駅予定地から少し離れていますし、プロジェクトに東急が関わっていないようなので、たぶん採用されないでしょう。
原点に戻り、横浜市港北区にあるのですから、「港北綱島駅」なら候補になってもよさそう。行政区域に従うなら「綱島東駅」もありでしょうか。
「綱島」に近づけるなら、「網島駅」や「綱鳥駅」「網鳥駅」はどうでしょう。まあネタですが。
筆者予想
ということで、いろいろ考えましたが、決定的なものはなく、やっぱり「新綱島駅」が大本命でしょう。「新綱島駅周辺地区土地区画整理事業」といった「新綱島駅」の駅名を前提にした事業も始まっていますし、いまから他の名前を付けるなら、よほどいい名称にしなければなりませんが、有力候補が見当たりません。
「東綱島駅」の可能性は、あまり高くないと思います。「新」でないなら、もっと思い切った名前にするでしょう。
ということで、いちおう筆者なりの予想を書いておきます。
本命=新綱島駅
対抗=綱島街道駅
対抗=東綱島駅
穴馬=綱島桃雲台駅
大穴=綱島SST駅
ネタ=網鳥駅
筆者の予想はたいてい外れますが、今回ばかりは当たりそうです。(鎌倉淳)