「四国たびきっぷ」が8月販売終了。ワイド周遊券『最後の後継者』が姿消す

8年の歴史に幕

JR東海が発売している「四国たびきっぷ」が2021年8月8日で販売を終了します。これで「たびきっぷ」は全て廃止となり、周遊きっぷの後継として2013年に登場して以来、約8年の歴史に幕を閉じます。

広告

周遊きっぷの後継

「たびきっぷ」は、JR東海が2013年に発売を開始した企画きっぷです。JRグループの共通商品として販売されていた「周遊きっぷ」が同年に廃止されたのを受けて、JR東海が独自に設定しました。

発売当初は、東京都区内や名古屋市内を発着地とし、岡山、広島、山口、四国の4エリアが用意されました。往復新幹線利用、フリーエリアは特急自由席にも乗り放題という、周遊きっぷの余韻を残す設定です。

ただ、発売後まもなくして、発着地は名古屋市内だけとなり、2019年には岡山、広島、山口の3エリアが廃止されました。残されたのは名古屋発着の「四国たびきっぷ」だけでしたが、それも2021年8月8日発売分を以て販売を終了することが決まりました。8月10日以降は利用できなくなります。

「四国たびきっぷ」の価格はおとな29,330円、こども14,660円。岡山以南の四国全域に至るJR線と、土佐くろしお鉄道、阿佐海岸鉄道の特急、快速、普通列車の普通車自由席が乗り放題です。

四国たびきっぷ
画像:JR東海ウェブサイト

周遊券の伝統消滅

JR東海は、「四国たびきっぷ」の販売終了の理由を告知していません。岡山、広島、山口の3エリアが廃止された際は、「利用が少ない」ことを理由としていました。

四国については、相対的に利用は多かったのでしょうが、新型コロナウイルス感染症の影響で、昨年度はほとんど売れなかったことが推察されます。また、最近はJR四国が独自に破格の乗り放題きっぷを販売していることや、JR各社の経営体力の低下もあり、販売終了に至ったのでしょう。

「四国たびきっぷ」の販売終了により、JR東海の「たびきっぷ」は全て廃止となります。「たびきっぷ」を「周遊きっぷ」の後継と位置づけるなら、国鉄時代に設定された「ワイド周遊券」の流れを汲む『最後の後継者』とも表現できます。

それが廃止されることで、国鉄時代以来の伝統のきっぷが系譜が途絶える、という捉え方もできるかもしれません。(鎌倉淳)

広告
関連記事
前の記事新神戸駅前に賑わいは生まれるか。駅前広場の再整備で歩きやすい空間に
次の記事仙台→東京「夜行新幹線」は幻に。鉄道ファンの「密」を危惧?