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青春18きっぷ「運休・不通区間」の扱いまとめ。代行バスや振替輸送は使える?

代行バスには乗れる

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近年は集中豪雨などで、長期不通となる鉄道路線が増えてきました。JR全線が乗れる青春18きっぷで、こうした不通区間の扱いはどうなるのでしょうか。ルールと実際をまとめてみました。

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広範囲で不通区間が発生

青春18きっぷは5日分11,850円、1日あたり2,370円でJR全線の普通・快速列車に乗り放題というきっぷです。

ところが、最近は自然災害で長期間にわたり不通となる区間が増えていて、乗りたくても列車に乗れないJR線が生じています。とくに、2018年7月の西日本豪雨では、山陽本線をはじめ広範囲で不通区間が発生し、現在も運休中です。

こうした区間を、青春18きっぷで旅行できるのでしょうか。扱いをまとめてみます。

JR西日本運転見合わせ区間
JR西日本運転見合わせ区間。緑は運行再開、黄色は8月中旬までの運行再開、黒は長期間運休。画像:JR西日本ウェブサイトより

新幹線や特急には乗れない

まず、JR各社のウェブサイトには、青春18きっぷについて、以下のように書かれています。

「列車の運行不能及び遅延による払戻しはいたしません。」

「災害等の理由により、ご利用予定の列車に接続しないため、当日の最終目的地に到着しない場合でも、新幹線・特急列車等にはご乗車になれません。(一部区間除く)」

青春18きっぷを購入したときに付随する「ご案内」にも、同趣旨のことが書かれています。

つまり、青春18きっぷでは「列車が運休や遅延をしても払い戻したり、新幹線や特急に乗せたりしない」と明記しているわけです。これが青春18きっぷの大原則です。

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代行輸送と振替輸送

さて、JR線で運休が生じた場合、救済措置として主に二つの手段がとられます。「代行輸送」と「振替輸送」です。

代行輸送は、鉄道に代えてバスやタクシーによって輸送を代行することを指します。JRの費用負担で、JRの旅客を輸送する手段として、バスやタクシーを仕立てるのが代行輸送です。

これに対し、振替輸送は、主に他の事業者にJRの旅客の輸送を委託することを指します。大都市圏などでJR線で不通区間が生じた際に、私鉄に無料で乗車できるようになりますが、これが振替輸送の典型例です。

在来線の不通時に新幹線に乗車可能とする場合は、「他の事業者への委託」ではないこともありますが、広い意味で「振替輸送」の一種といえます。

代行バスには乗れる

青春18きっぷを所持している旅客は、代行輸送のバスまたはタクシーには、基本的に乗車できます。ただし、乗車できるのは普通列車の代行バスに限られます。新幹線や特急の旅客だけを対象とした代行バスには、乗れない場合があります。

代行バスでも、通勤・通学客が優先され、青春18きっぷなどの旅行者が後回しにされることもあります。バスが満員になってしまったら、乗車できないこともあります。

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振替輸送はケースバイケース

振替輸送については、ケースバイケースです。青春18きっぷ利用者は、振替輸送の対象になることもあれば、ならないこともあります。

JRのウェブサイトに記載されているように、原則論では、災害等の理由でも新幹線・特急に振替乗車することはできません。ただ、実際には、乗車できることもあります。

筆者の経験でも、青春18きっぷで越後湯沢に至ったときに、吹雪で上越線が不通になり、上越新幹線で高崎まで運んでもらったことがあります。一方で、静岡県で東海道線が不通になったとき、東海道新幹線の振替輸送は行われずに、そのまま待たされたこともあります。

JR各社によって運用基準は異なるようですし、復旧見込みの具合にもよるでしょう。

振替輸送の考え方

振替輸送の考え方として、「列車が運行不能となった後に購入した乗車券では振替輸送は受けられない」という方針がとられることがあります。運休とわかっていてきっぷを買った人には振替しない、ということです。

この考え方に基づけば、青春18きっぷでは、当日のスタンプを押してから、列車が突発的に不通になった場合は、振替を受けられることになります。しかし、長期間不通の場合は、運休と分かっていて青春18きっぷを購入しているわけですから、振替の対象になりません。

今回の西日本豪雨で、JR西日本は山陽新幹線による振替輸送(同社は代替輸送と表現)を行っています。青春18きっぷの扱いに関しては、豪雨が発生した7月6日以前に発券された青春18きっぷに限り、新幹線振替乗車を認めています。不通前にきっぷを買っていた人に対しては救済するけれど、不通後にきっぷを買った人は救済しない、ということです。

これは、上記の考え方に基づいた扱いでしょう。発券日により振替の扱いを変えるという運用が青春18きっぷでなされるのは珍しいですが、筋は通っています。

ただし、この考え方が、JR全社の普遍的なルールというわけでもありません。実際のところ、青春18きっぷをいつ買ったかが問われることなど稀でしょう。

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代行・振替区間まとめ

前置きが長くなりましたが、現時点でのJR長期不通区間と、代行・振替状況をリストにしました。代行バスは原則として青春18きっぷで乗車できますが、通勤・通学客を優先している場合もあり、乗車できないこともあります。三陸エリアのBRTは省略しましたが、青春18きっぷで利用可能です。

【バス代行輸送】
・根室線 東鹿越~新得
・日高線 鵡川~様似
・只見線 会津川口~只見
・常磐線 富岡~浪江
・高山線 飛騨金山~下呂
・高山線 坂上~猪谷
・山陽線 三原~海田市
・山陽線 柳井~徳山
・津山線 岡山~金川
・伯備線 総社~上石見
・姫新線 上月~新見
・因美線 津山~智頭
・芸備線 新見~備後落合~三次~下深川
・呉線 広~広島
・福塩線 上下~三次
・木次線 出雲横田~備後落合(タクシー代行)
・予讃線 本山~観音寺
・予讃線 伊予市~伊予大洲(海線)
・予讃線 八幡浜~宇和島
・予土線 宇和島~窪川
・筑豊線 桂川~原田
・日田彦山線 添田~日田
・豊肥線 肥後大津~阿蘇

【特急代行】
・伯備線 岡山~米子
この区間には直行バスの代行バスが運行されています。乗車券と自由席特急券を購入した旅客向けの代行バスなので、ルール上は、青春18きっぷでは乗車できないことになります。

【振替輸送】
・山田線 宮古~釜石
山田線宮古~釜石間については、定期券と回数券に限り、岩手県北バス及び岩手県交通バスによる振替輸送を実施中です。青春18きっぷは定期券でも回数券でもありませんので、この区間の振替輸送を受けることはできません。

・山陽線 三原~海田市、岩国~徳山
・岩徳線 岩国~櫛ヶ浜
・呉線 三原~海田市
これらの区間に関しては、山陽新幹線三原~広島間、新岩国~徳山間で振替輸送を実施しています。対象は、上記の区間の一部または全部を含む定期券・普通乗車券・回数券などを所持する旅客です。ただし、7月6日までに購入した人だけが対象で、乗車当日に購入された乗車券類は対象になりません。青春18きっぷも、7月6日までに発券されたものは振替対象となります。

遅延・運休も「青春18きっぷの旅」

青春18きっぷは、きわめて価格の安い企画乗車券です。また、利用区間が明示されていないため、利用者が最終目的地と考えている場所に到達できなくてもJRに責任は生じません。

こうした特殊なルールのきっぷであるが故に、普通のきっぷなら受けられるであろう運休時の救済が受けられないことがあります。その点を理解しておきましょう。

災害に限らず、ちょっとした列車の遅延や運休で、最終目的地にたどり着けないこともありますが、それも「青春18きっぷの旅」と心得えたいところ。

間違っても、「新幹線に乗せろ」などと、駅係員に食ってかかったりしないように。(鎌倉淳)


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