JAL、ANA予約サイトで「中国・台湾」が表記が消える。都市名を直接選択に

利用者にはうんざり

JALとANAのウェブサイトで、予約画面から「中国」や「台湾」の文字が消えました。「東アジア」のくくりから直接、都市名を選ぶことになります。中台からの圧力に耐えかねた措置のようです。

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7月25日の期限を前に

JALやANAホームページの航空券予約画面では、これまで、出発地・目的地の選択画面に「中国」や「台湾」といった国・地域のくくりがあり、そこから「北京」「台北(桃園)」などの都市名(空港)を選ぶ仕様でした。

しかし、2018年7月24日までに、両社は仕様を変更。「中国」「台湾」の文字を載せず、「東アジア」のくくりから直接、都市名を選ぶことになりました。「東アジア」に含まれるのは、中国、台湾、香港、マカオ、韓国です。

これは、中国の民用航空局が、航空各社のサイトなどで台湾を中国の一部と明記するよう求めたことに対応したものです。中国は修正期限を7月25日と定め、従わない場合は中国の法律違反として処分する構えを見せていました。これに対して、台湾側が反発。両岸の板挟みに遭った航空会社側が、「中国も台湾も載せない」という窮余の一策に出たようです。

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選びにくい

実際にJALとANAのウェブサイトで都市名選択画面を開くと、「東アジア」の項目には都市名がずらり。率直にいって選びにくいです。

ANAは都市名の選択肢が多いため、「主要な空港」として上海や台北などを抜き出しています。そのため主要都市は不便はありませんが、そこから漏れた釜山や西安などを探すには目をこらさなければなりません。

ANA国際線予約画面
画像:ANAウェブサイト
ANA東アジア予約画面
画像:ANAウェブサイト

JALは都市名が少ないので見づらさはそれほどでもありませんが、トップ画面で「アジア・オセアニア」を選ぶと、画面の上部にオーストラリアの都市が表示され、スクロールしたら東アジアの諸都市が出てくる始末で、選ぶまで時間がかかります。

「やっつけ仕様」であることが見て取れ、時間に追われた緊急的な対処であったことがうかがえます。

JAL予約画面
画像:JALウェブサイト

JAL予約画面
画像:JALウェブサイト

韓国も巻き添え

巻き添えを食ったのは韓国で、中国・台湾の諸都市のなかにソウルや釜山が紛れ込み、探しづらくなりました。

JAL、ANAのウェブサイトとも、今後、修正されて使いやすくなるとは思います。しかし、しばらくはこのわかりにくい表示が続くのでしょう。両社には同情しますが、利用者としては、うんざりする話です。(鎌倉淳)

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