三江線の廃止日が2018年4月1日に決定。「さよなら乗車」のモデルルートを考えてみた。

三江線の廃止日が2018年4月1日に決まりました。JR西日本と沿線自治体などで組織する三江線改良利用促進期成同盟会が合意しました。今後は代替交通の確保に焦点が移ります。

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9月30日に廃止届け

三江線は、広島県三次市と島根県江津市を結ぶ108.1kmの路線で、JR西日本は9月1日に同線の廃止を表明していました。鉄道事業法に基づく廃止届を9月30日に国に提出する予定で、廃止日を2018年4月1日と記載します。最終運行日は2018年3月31日です。

各社報道によりますと、2016年9月29日に、JR西日本米子支社の松岡俊宏支社長が島根県美郷町を訪れ、期成同盟会会長の景山良材・島根県美郷町長に廃止時期を伝えたとのこと。景山町長は「地域公共交通網形成計画」を策定して三江線廃止後も地域交通を維持すると表明しています。交通計画の策定にはJRも協力します。

JR西日本はこれまで三江線の廃止時期を明示していませんでしたが、交通計画の策定に必要な準備期間を約1年6カ月と見込んで、廃止時期を設定したとしています。

三江線
写真:江津市ホームページ

「さよなら乗車」で混雑か

廃止日が正式に決まったことで、「さよなら乗車」をめざす鉄道ファンが三江線に集まるとみられます。三江線は全線を直通する列車が1日1往復半にすぎず、区間運転を含めても、全線を乗り通せる有効運転本数は1日3往復です。この3往復は、これから週末や学休期を中心に混雑するでしょう。

三江線は乗るのに手ごわいローカル線で、東京から日帰りで乗ることはできず、大阪からでも早朝に出て深夜に帰るスケジュールでなければ日帰りできません。そのため、乗りに行くなら沿線での宿泊が必要になるケースが多いでしょう。

そのときの狙い目が、浜原始発の列車。浜原6時発の三次行きや、同6時27分発の浜田行きは、沿線住民以外は浜原に宿泊するなどしなければ利用できないため、比較的旅行者が少ない列車です。明るい時間帯に空いている三江線を味わうなら、こうした列車を狙うのもいいでしょう。

東京からのモデルルート

そういう事情も勘案して、東京からのモデルルートを作ってみました。

▽1日目
東京08:50→のぞみ103号→12:52広島13:00→芸備線→13:40狩留家13:42→芸備線→14:52三次16:56→三江線→18:30浜原

▽2日目
浜原06:27→三江線→08:15江津08:49→アクアライナー→09:56出雲市10:32→やくも14号→13:38岡山13:49→のぞみ28号→17:13東京

もちろん、これはモデルルートなので、お好みに応じてアレンジを。浜原駅近くに宿はほとんどないので、ひとつ隣の粕淵駅周辺に泊まるのがよいでしょう。

三次や江津に泊まって始発列車に乗るのもいいですが、沿線の浜原周辺に泊まることで、ひと味違う三江線の旅ができるかもしれません。(鎌倉淳)

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