ルスツ「リフト1日券」が14,500円に。3年で2.2倍、スキー場、「国際価格」に近づく

ニセコも1万円突破

ルスツリゾートスキー場で、2024-25年シーズンのリフト券価格が発表されました。大人1日券の定価は14,500円で、昨シーズンより3,000円の値上げ。日本のスキー場として、値上げを先導しています。

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値上げ率26%

ルスツリゾートスキー場は、北海道を代表する大型スキー場のひとつです。その2024-2025年シーズン(2025年シーズン)の価格が発表されました。

レギュラーシーズン(12月21日~3月16日)のリフト1日券は大人14,500円で、昨シーズンの11,500円から3,000円の値上げとなります。値上げ率は約26%です。

シニア・中高生は10,800円となり、昨シーズンの8,600円から2,200円の値上げ。こどもは7,200円で、前年の5,700円から1,500円の値上げです。

シニア、中高生、こどものいずれも値上げ率は約26%で、大人と同水準の値上げ率となっています。

ルスツスキー場

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オンライン販売は抑えめに

上記は当日窓口販売の価格です。オンライン購入の場合、大人1日券11,200円で、昨年の9,700円から1,500円の値上げにとどめています。値上げ率は15%です。

オンライン購入では、シニア・中高生が8,300円、こどもは5,400円です。

窓口販売の価格を大幅に引き上げる一方で、オンライン販売の値上げ率は抑制しています。オンラインへの誘導ということでしょう。

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3年で2.2倍に

ルスツリゾートは、近年、急激にリフト券価格を値上げしています。

大人リフト1日券を例に取ると、2021年シーズンに6,200円だったところ、2022年に6,500円となり、2023年が8,800円、2024年が11,500円、2025年が14,500円と、文字通り跳ね上がっています。2022年から3年間で、一気に2.2倍に急騰しています。

オンライン販売の価格は抑え気味ですが、それでも2025年は1万円を突破しました。ルスツにおいて1日券でスキーを楽しむのであれば、1万円の出費は避けられないことになります。

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安く滑る方法もある

ただ、安く滑る方法はあります。まず、ルスツでは、1時間単位で利用できる「25時間券」と「トップアップ券5時間券」を用意しています。価格は25時間は33,000円(オンライン31,500円)、5時間は6,100円(オンライン同額)です。

1時間単位で利用できるなら、1日5時間で十分と考えれば、6,100円とお手頃です。25時間券を買って、4時間ずつ6日間すべるなら、1日あたり5,250円(オンライン)となっています。滞在型の利用者やリピーターへの配慮はなされていることになります。

また、宿泊予約サイトをみると、リフト券をセットにした宿泊プランは、それほど高く設定されていません。1日5,000円程度の差額で、リフト券付き宿泊プランを選ぶこともできます。

北海道の大型スキー場は、とくに外国人客の比率が高まっています。そうした外国人を意識して高めの定価を設定し、ターゲットに応じて値引きをするスタイルにしているようです。

ルスツは、国内スキー場においてリフト券価格値上げの先導役を果たしていますが、こうした「値付け」の仕方も、先進的と言えるかもしれません。

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ニセコ、白馬も1万円前後に

2024年シーズンのリフト券価格を発表しているスキー場はまだ多くありません。

すでに発表しているスキー場では、ルスツのライバルともいえるニセコが、2025年シーズンの全山1日券を10,500円としました。2024年は9,500円でしたので、1,000円(10%)の値上げです。

白馬の共通券であるHakuba Valley 10スキー場共通リフト1日券は9,700円で、2024年の8,500円から1,200円(11%)の値上げです。

ルスツ、ニセコ、白馬という、日本を代表する超大型スキー場で、リフト1日券が1万円前後の価格に達したことになります。

となると、各地の大型スキー場は、これより少し安い価格が基準になるでしょう。すなわち、大型スキー場ではリフト1日券8,000円前後が標準的な価格となりそうで、昨シーズンより1,000円程度相場が上がりそうです。

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2年後には2万円に?

ルスツに話を戻すと、近年の値上げペースを続ければ、2027年シーズンには、リフト1日券が2万円に達します。

わずか数年前までは、リフト1日券は、大型スキー場でも6,000円程度だったことを考えれば、気が遠くなるほどの価格です。

国際水準の価格に

とはいえ、国際水準からみれば、スキー場のリフト1日券が2万円というのは高くありません。たとえば、カナダのウィスラーのリフト1日券(25年)は269ドル(約29,000円)です。

比べると、ルスツの2025年のリフト券は、「国際価格」に比べればまだ半額、と捉えることもできます。

ニセコやルスツ、白馬クラスのスキー場なら、ウィスラーと同水準の価格設定でも集客は可能でしょう。となると、近い将来に、国内の超大型スキー場のリフト券が、2万円台になっても驚きはありません。というよりも、ルスツは国際水準を目指しているように感じられます。

円安を背景に、外国人客には痛みの小さい値上げですが、国内スキーヤー、スノーボーダーには、厳しい話です。せめて上手に旅行商品を選んで、賢く滑りに行きたいところです。(鎌倉淳)

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