JR北海道が留萌線の廃止を検討していることがわかりました。留萌線のうち、利用が少ない末端区間の留萌~増毛について、2018年度までに先行廃止することを検討しているようです。北海道新聞が報じています。
1年かけて自治体と調整へ
留萌線は深川~増毛間66.8kmを結ぶローカル線で、2014年度の輸送密度は142です。
2015年6月27日付北海道新聞によりますと、JR北海道の幹部が5月下旬に沿線の秩父別町を訪れ、留萌線廃止の意向を伝えました。今後、約1年かけて沿線の各自治体と調整したうえで、公式の協議会を設置し、自治体から廃止の同意を取り付けたうえで、JRが国に届け出て路線を廃止する、ということです。
秩父別町は深川~留萌間に位置し、末端区間ではありません。つまり、JR北海道は、留萌線の全線について廃止を検討しているようです。先に利用者の少ない留萌~増毛間16.7kmの末端区間を廃止し、次に深川~留萌間について廃止する、という段階を経るようです。
北海道新聞によると、「安全対策が追いつかない留萌―増毛間を先行して2018年度までに廃止したい考え」とのことです。輸送量のわりに整備に手間のかかる区間をまず手放したい、ということなのでしょうか。
「JR北海道再生推進会議」も廃止を促す
JR北海道に関しては、安全対策に助言する第三者委員会「JR北海道再生推進会議」(議長・宮原耕治日本郵船相談役)が同社に対する提言書をとりまとめ、2015年6月26日に公表したばかりです。
その内容は、限られた経営資源を安全投資に重点配分する「選択と集中」を促すとともに、利用者の少ない路線の廃止を含めた見直しなどを勧めるものです。つまり、留萌線の廃止は、外部有識者の提言に沿う形になっています。
札沼線末端部と夕張支線はどうなる?
こうした提言が出ていて、JR北海道が留萌線の廃止に向けて動き出したわけです。となると、これは留萌線だけの問題ではなく、輸送量の少ない他路線も対象になりそうです。
具体的には、札沼線末端部の北海道医療大学~新十津川(輸送密度81)、夕張線支線の新夕張~夕張間(輸送密度117)の2区間は、JR北海道の決算時に「ご利用が少ない区間」として明記されています。この2区間は、留萌線より数字が悪いだけに、廃止検討になっている可能性は高そうです。