東急電鉄が、「東急線アプリ」利用者に対して「Qシート」のアンケートを実施しています。有料着席サービスの拡大・改善の検討資料にするようです。
利用経験者には満足度など
東急電鉄は、大井町・田園都市線の大井町~長津田間の一部列車で有料着席サービス「Qシート」を設置しています。同社はこのほど「東急線アプリ」利用者に対し、「Qシート」に関するアンケートを実施しました。
アンケートは、性別、年齢、職業の入力後、「Qシートを普段利用しているか」について質問。「月5回以上」「2~4回」「1回」「1回以下」「利用したことがない」の5つの回答を求めました。
Qシートの利用経験がある人に対しては、次の質問で「利用したきっかけ」を質問。「確実に座れるため」「座り心地がよいため」「車内がきれい」「混雑した空間をさけるため」「たまたまQシートがあったため」「車内が静かなため」の選択肢を用意しています。
つづいて、「満足度」に関する質問では「座り心地」「清潔感」「運行区間」「静かさ」「乗務員の態度」「料金」の6つの項目に対し、大変満足から大変不満までの5段階での評価を求めました。
さらに、「いくらくらいの料金なら引き続き利用したいと思うか」という問いでは、「400円」「350円」「300円」の選択肢を提示。「どういった時間帯にあれば利用したいか」について、「平日朝」「平日日中」「平日22時以降」「土休日朝」「土休日の日中」「土休日の夕方以降」「終日」を選択肢に挙げています。
利用未経験者には
Qシートの利用経験がない人への質問では、その理由を確認。「大井町線・田園都市線を利用していない」「知らない・利用方法がわからない」「電車のなかで座りたいと思っていない」「利用する時間帯にQシートが運行していない」「座って帰りたいが料金が高すぎる」という選択肢を提示しました。
さらに、「いくらくらいの料金なら利用したいと思うか」という問いがあり、「500円」「450円」「400円」「350円」「300円」の5つの選択肢を用意しています。利用経験者が400円~300円の3択だったのに対し、利用未経験者には450円と500円の選択肢を加えているわけです。
最後の「どういった時間帯にあれば利用したいか」という質問の選択肢は、利用経験者と同じでした。
最大料金500円
価格に関するアンケートで、利用経験者に対して現在の400円以下の選択肢しか用意していないことから、大井町~長津田間での値上げは当面考えておらず、利用者を増やすための値下げも視野に入れていることがうかがえます。
一方、利用未経験者に対しては、選択肢の金額の上限が500円となっています。現在の運行区間以外で設定する際に、より高額な料金を検討しているのでしょう。
東横線で週末に設定されている着席列車の「S-TRAIN」の渋谷~横浜間の料金が350円ですが、同区間での値上げもあり得るかもしれません。
導入路線の質問なし
運転時間の拡大については、平日朝は当然検討しているとみられますが、それに加えてどの時間帯にニーズがあるかを調べている模様です。
東急電鉄は2021年度設備投資計画で、Qシートについて、「実績などをふまえて、他路線への展開など、サービス拡充の検討を深めていきます」と記しています。今回のアンケートを、その検討資料とするのでしょう。
アンケートでは、導入を希望する路線に関する質問はありませんでした。それは、ある程度決まっているということでしょうか。
今後、東急線でどの路線のどんな時間帯で有料着席サービスが登場するのか、気になります。(鎌倉淳)