バニラエアが2015年3月29日以降の夏ダイヤで、東京(成田)~ソウル(仁川)線を運休することを発表しました。これで、ANA系の航空会社による、成田発の日韓路線は全廃となります。
ANA本体はすでに撤退済み
バニラエアは、現在、成田~ソウル(仁川)線を1日1往復しています。同社が発表した2015年3月29日以降の夏ダイヤでは、この1往復が消滅。一方で、札幌(新千歳)線と沖縄(那覇)線が増便されています。ソウル以外の国際線の増減はありません。
バニラエアのソウル(仁川)線は、前身のエアアジア・ジャパン時代の2012年10月に開設されました。その後、2013年3月には、ANA本体が成田~仁川線から撤退。入れ替わるようにエアアジア・ジャパンが1日2往復に増便されました。エアアジア・ジャパンと後継のバニラエアはANA系の格安航空会社LCCですので、ANAグループとしては、成田~仁川線をLCC化した形になっていました。
JALも撤退視野か
今回、バニラエアが成田~仁川線から撤退することで、ANA系列の航空会社による成田発着の日韓路線はすべてなくなります。同区間は、LCCを含めた韓国系の航空会社の運航本数が多く、最近は供給過剰になっていると見られています。
JALも2014年10月からの冬ダイヤで、同区間を1日2往復から1往復に減便していますが、成田~仁川線を運航継続しています。しかし、系列LCCであるジェットスター・ジャパンが国際線の運航を開始しましたので、近い将来、成田~仁川線を移管する可能性が出てきました。現状の成田~仁川線の客単価では、LCCのほうが適切かもしれません。
ANAもJALも羽田~金浦線は1日3往復運航しており、日韓路線から全面撤退するというわけではありません。大手航空会社の東京~ソウル線は羽田~金浦線に完全にシフトしたと言えます。