格安航空会社LCCのピーチ・アビエーションは、沖縄(那覇)~バンコク(スワンナプーム)線を開設すると発表しました。那覇発は2017年2月19日から、バンコク発は翌20日からで、1日1往復運航します。日系LCCのバンコク就航は初めてで、東南アジア各地への旅行に使えそう。使いこなし方を考えてみました。
沖縄在住なら弾丸旅行向け
ピーチは那覇空港を関西空港に次ぐ第2拠点として位置づけていて、国内線は関西と成田、福岡の3路線を展開しています。国際線は台北(桃園)、香港、ソウル(仁川)の3路線を開設しています。バンコク線は国際線で4都市目の就航地となります。
新規就航となる那覇~バンコク線の時刻表(スケジュール)は以下の通りです。
ピーチ・那覇~バンコク線時刻表
MM989 那覇21:20→バンコク00:15(+1)
※日曜は25分遅発、水土曜は45分遅発
MM990 バンコク01:15→那覇07:30
※月曜は25分遅発、木日曜は50分遅発
ご覧の通り、往路は那覇を夜に出発し、バンコクに翌日未明に付くスケジュール。復路はバンコクを未明に出発し、那覇に朝着くスケジュールです。
沖縄在住の人にとっては、仕事が終わってからバンコクに行けますし、バンコクから帰ってきたその足で仕事に行けます。弾丸旅行向けスケジュールですね。
成田・関西・福岡との接続は?
那覇には日系LCCが3社路線を開設しています。そのため、本土からも、LCCを那覇で乗り継いでバンコクへ旅行する行程が可能になります。以下でみてみましょう。
成田発着の場合
◆成田~那覇をピーチ
成田14:10→17:25那覇21:20→00:15バンコク
バンコク01:15→07:30那覇10:55→13:25成田
◆成田~那覇をジェットスター
成田14:55→18:25那覇21:20→00:15バンコク
バンコク01:15→07:30那覇12:30→14:55成田
(※成田発は土日のみ運航)
◆成田~那覇をバニラ
成田16:45→20:10那覇21:20→00:15バンコク
バンコク01:15→07:30那覇09:40→12:10成田
成田発着の場合、那覇での乗り継ぎはバニラがいいですが、往路の那覇での接続時間は1時間10分で、内際乗り継ぎとしては短すぎます。
ただ、ピーチの那覇→バンコクは、日曜が25分遅発、水土曜が45分遅発のため、これらの曜日なら、成田からバニラでつなげそうです。それ以外の曜日なら、成田~那覇間を往路ピーチ利用、復路バニラ利用がよさそうです。
関西発着の場合
◆関西~那覇をピーチ
関西14:05→16:25那覇21:20→00:15バンコク
バンコク01:15→07:30那覇09:55→11:50関西
◆関西~那覇をジェットスター
関西12:30→14:55那覇21:20→00:15バンコク
バンコク01:15→07:30那覇12:30→14:20関西
(※関西着は月金土日のみ運航)
往復ともピーチを乗り継ぐのがいいですが、往路は那覇での乗り継ぎ時間が長いので、実用的とはいえません。
福岡発着の場合
◆福岡~那覇をピーチ
福岡18:00→19:40那覇21:20→00:15バンコク
バンコク01:15→07:30那覇10:20→12:10福岡
福岡~那覇のLCCはピーチしかありません。往復とも那覇での接続が良好で、「使える」スケジュールになっていると思います。
那覇経由の総額は?
今回設定された那覇~バンコク線の価格は、9,980円~とされています。ピーチの成田~那覇は5,890円~、関西~那覇は4,890円~、福岡~那覇が3,990円~です。支払手数料が1区間あたり440円かかりますので、ピーチを那覇経由で乗り継いだ場合の往復価格の総額は、以下の通りになります。
・成田~バンコク 往復33,500円~
・関西~バンコク 往復31,500円~
・福岡~バンコク 往復29,700円~
成田・関西~バンコク(ドンムアン)は、タイ・エアアジアXが直行便を運航しており、それぞれ往復3万円程度で利用できます。そのため、成田・関空発着で、バンコクへピーチを利用する価値はあまりありません。
ただ、ピーチは頻繁にセールをおこないますので、セール運賃なら往復1万円台になることもありそうです。そのくらいの価格になれば、本土からの利用でもおもしろいでしょう。
福岡からは価格的にも時刻的にも使える
一方、福岡~バンコクは、直行便はタイ航空しかなく、価格も往復5万円程度することが多いようです。したがって、セールでなくても、ピーチの那覇経由は選択肢になりそうです。那覇での接続も良好ですから、価格、時刻表の両面で、福岡~那覇~バンコクの新ルートの価値がありそう。
そのほか、那覇便が出ている空港は全国にあります。残念ながら、どの空港からも那覇での接続はあまりよくありませんが、「バンコクへ行く途中に那覇に寄り道する」という考え方なら、ピーチの那覇~バンコク線は、全国各地から活用できるでしょう。(鎌倉淳)