ピーチ・アビエーションは、2017年3月26日からの夏ダイヤから、成田-新千歳と、成田-那覇の2路線を廃止します。新千歳線は運航開始から2年で、那覇線は1年1カ月での運航終了となります。
夏ダイヤ案内ページで告知
ピーチの成田-新千歳線は2015年3月29日に運航を開始し、現在1日1往復。成田-那覇線は2016年2月20日に運航開始し、こちらも現在1日1往復で運航しています。この2路線を、2017年3月25日限りで廃止します。
プレスリリースの発表はありませんが、ピーチ公式ウェブサイトの夏ダイヤの案内ページで、2路線の廃止を告知しています。
平均搭乗率を下回る
日本経済新聞2017年2月17日付によりますと、両路線の「搭乗率は70~80%程度で推移している」ものの、ピーチの全路線の平均搭乗率である約86.7%は下回っていたそうです。「ピーチは成田では夜間駐機をしていないため機材運用の制約上、増便が難しく、当面は搭乗率の改善は見込めないと判断」し、廃止を決めました。
どちらの路線も成田発が14時台で、首都圏からの利用にはあまりいい時間帯ではありません。成田を拠点としないピーチとしては、関西など他の拠点から機材を回してくる運用上、いい時間帯に増便もできません。
そのため、機材の有効活用を考えて、他の路線に転用にするため2路線を廃止するようです。すなわち、当面は成田を拠点化する計画もない、ということなのでしょう。
関西、福岡線は維持
2路線の運休により、ピーチの成田路線は関西線と福岡線の2路線のみとなります。現在、関西線が1日3往復、福岡線が1日2往復ですが、いずれも便数は維持される模様です。
ピーチの路線撤退は珍しく、過去には2013年9月に開設した那覇-石垣線を2014年7月に運休したことがあるだけでした。同社の路線撤退は、今回で3路線目となります。
LCC同士の激戦区
成田-新千歳線は、ピーチを含めた国内LCC4社が全競合する激戦区でした。成田-那覇線も、ジェットスター・ジャパンとバニラエアが競合します。そのなかで、関西拠点のピーチが高い搭乗率を維持するのは難しかった、ということなのでしょう。
一方で、ジェットスターは、成田-新千歳線を2017年夏ダイヤから1日9往復に増便。成田-那覇線も5往復に増やします。成田においては、ジェットスターがピーチを蹴散らした、という印象です。
成田発着では、ピーチと同じANA系のバニラエアも両路線でしのぎを削っています。国内LCCでいち早く黒字化し、向かうところ敵なし、の印象のピーチでしたが、さすがに成田路線では、ジェットスターとバニラの牙城を崩せなかった、というところでしょうか。(鎌倉淳)