「大人の休日倶楽部パス」販売見合わせの理由。シニアの健康を最優先

「フルムーン」には変更なし

JR東日本が、「大人の休日倶楽部パス」の2020年度第1回の販売を見合わせると発表しました。政府による緊急事態宣言の発令などを受けたものです。

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乗り放題で人気

「大人の休日倶楽部パス」は、JR東日本とJR北海道のシニア向け会員組織「大人の休日倶楽部」の会員向けに販売されるフリーきっぷです。JR東日本やJR北海道の全路線に、特急列車自由席も含めて乗り放題という夢のパス。4~5日間の有効期間で1万5,000円~26,000円程度という破格値で、シニアの鉄道ファンには強い人気があります。

2020年度の利用期間は3回設定されていて、第1回が6月25日~7月7日、第2回が11月26日~12月8日、第3回が1月14日~1月26日でした。

このうち第1回について、JR東日本とJR北海道は、発売の見合わせを発表しました。「政府から緊急事態宣言が発令されたことや、会員の皆様の健康を最優先に考え」たと理由を説明しています。

大人の休日倶楽部パス販売見合わせ
画像:JR北海道ウェブサイトより

早めの判断

政府の緊急事態宣言は、現時点では5月6日で終了する予定です。その後1ヶ月以上先に利用期間が設定されている「大人の休日倶楽部パス」の販売を見合わせるという早めの判断に、驚いた人も多いでしょう。

新型コロナウイルス感染症の収束が長引くという見通しをJRが持っていると考えられますが、販売見合わせを発表することで、PRなどの準備作業を停止させる意味もあるとみられます。

「皆様の健康を最優先」という理由は、列車運休の説明などでは見かけません。同感染症での重症化リスクの高いシニアが会員であることを配慮した表現です。

「大人の休日倶楽部パス」は破格値で、利用期間が短いゆえに、特定の路線やエリアが集中的に混雑することがあります。そうした「シニアクラスタ」の発生を、JRが憂慮したのでしょう。

「週末パス」や「北海道フリーパス」といった、JR東日本やJR北海道が販売する他のフリーきっぷについては、現時点では販売継続しています。JR全社が扱う「フルムーン夫婦グリーンパス」や「青春18きっぷ」も変更はありません。

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